父と娘のポーランド旅 父のわがままに娘のイライラが募る 「旅の終わりのたからもの」本編映像

映画スクエア

 2026年1月16日より劇場公開される、第74回ベルリン国際映画祭のベルリン・スペシャル・ガラ作品に選ばれた映画「旅の終わりのたからもの」の、本編冒頭映像が公開された。

 映像は、ルーシー(レナ・ダナム)が、別の便でワルシャワに到着した父・エデク(スティーヴン・フライ)と空港で落ち合う、旅の出発点となるシーン。少し神経質そうな雰囲気のルーシーと、陽気で誰とでもすぐに打ち解けるエデクは、正反対のちぐはぐ親子。大遅刻をよそに嬉しそうに手土産を渡すのんきなエデクの様子に、ルーシーはあきれ顔を見せる。早くもかみ合わないやり取りが続き、波乱の旅路を予感させる。

 列車に乗ろうと駅に移動した2人だったが、乾いた汽笛の音に一瞬顔をこわばらせたエデクは、「列車はノロいし、トイレも清潔じゃない」と、なぜか列車に乗ることを嫌がる。すでに切符も購入していたため、ルーシーはエデクの態度にさらにイライラを募らせる。さらに、ルーシーがトイレに行ったすきに、エデクはさらなる自由奔放な行動に出るのだった。振り回され続けるルーシーを見事に体現したレナはもちろん、クセがありながらどこか含みを持ったエデクの心情を細やかに表現するフライの繊細な演技が光るシーンとなっている。また、どこか灰色がかったような街並みなど、共産主義から民主主義への過渡期にあった、1991年当時のポーランドのリアルな風景も見どころとなっている。

 「旅の終わりのたからもの」は、民主国家としての土台を築く激動の時代であった1991年のポーランドを舞台に、ちぐはぐな父と娘が家族の歴史をたどる旅路を、ユーモラスかつ温かく描いた作品。1991年、両親の故郷であるポーランド・ワルシャワに、ニューヨーク生まれのルーシーが初めて降り立つ。ホロコーストを生き抜き、約50年ぶりの帰郷となる父エデクも一緒だった。自身のルーツを探りたいルーシーの計画を次々につぶしていく父に、ルーシーは爆発寸前。アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れ、初めて父の口から恐ろしい記憶を聞くも、2人の心の溝は埋まらない。ついに父と別れてニューヨークへ帰ると決めたルーシーを、父は思いがけない場所へと連れていく。

 監督を務めたのは、2024年にヴェネツィア映画祭審査員も務めたドイツ映画界の俊英ユリア・フォン・ハインツ。彼女がティーンエイジャーの頃に、オーストラリアの作家リリー・ブレットがホロコーストの生存者である父との旅の実体験をもとに書き上げた小説「Too Many Men」を読み、深い感銘を受けたことから、今回の映画化が実現した。娘ルーシーを演じたのは、ドラマ「GIRLS/ガールズ」で製作・脚本・監督・主演を兼任したレナ・ダナム。父エデク役を「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」や「ホビット」シリーズのスティーヴン・フライが務めている。

父と娘のポーランド旅 父のわがままに娘のイライラが募る 「旅の終わりのたからもの」本編映像

【作品情報】
旅の終わりのたからもの
2026年1月16日(金)より、kino cinéma新宿ほか全国公開
配給:キノフィルムズ
© 2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS

作品一覧