東日本大震災で石巻の家を津波で流された天涯孤独の老齢女性を追う 「風に立つ愛子さん」公開決定

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東日本大震災で石巻の家を津波で流された天涯孤独の老齢女性を追う 「風に立つ愛子さん」公開決定

 2012年に「石巻市立湊小学校避難所」を制作した藤川佳三監督による映画「風に立つ愛子さん」が、2025年2月下旬より劇場公開されることが決まった。

 2011年の東日本大震災で石巻の家を津波に流された、当時69歳の村上愛子さん。その出来事は天涯孤独に生きていた愛子さんの人生を大きく変えた。避難所での集団生活は、今まで知り合うこともなかった近隣の人々と寝食をともにし、みんなと心のつながるかけがえのない時間だった。その後、仮設住宅で7年を過ごし、復興住宅へと移っていく。「風に立つ愛子さん」は、震災後の8年間、愛子さんを見つめ続けた記録の映画となっている。津波を「津波様」と呼び、震災が幸せを運んでくれたと言う愛子さんの姿には、被災者とひとくくりにできないひとつの人生が映し出されている。

 監督は、「石巻市立湊小学校避難所」を制作した藤川佳三。避難所で出会った愛子さんの明るく奔放な性格に魅了された藤川は、それから断続的に石巻に通い愛子さんの姿をカメラに収めていった。2人の距離が近づくにつれ、愛子さんは自分の生い立ちをつらつらと、よどみなく話すようになる。そして、ようやく仮設から復興住宅に移って数カ月後に、愛子さんは76歳で亡くなってしまう。残された藤川は、出会ってからの膨大な時間の映像を、やがてひとつの映画にまとめ、本作が完成した。

【作品情報】
風に立つ愛子さん
2025年2月下旬よりポレポレ東中野にて公開 全国順次公開
配給:ブライトホース・フィルム
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