第74回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀作品賞を受賞したホラー映画「デビルズ・バス」が、2025年5月23日より劇場公開されることが決まった。
「デビルズ・バス」は、双子の少年と母親をめぐる恐怖を描いた作品。18世紀半ば、オーストリア北部の小さな村。古くからの伝統が残るその村に嫁いだアグネスは、夫の育った世界とその住人たちになじめずにいた。それだけではなく、彼らの無神経な言動やおぞましい儀式、何かの警告のように放置された腐乱死体など、異様な光景を目の当たりにして、徐々に精神をむしばまれていく。極限状態に追い込まれ、現実と幻想の区別すらつかなくなった彼女を、やがて村人たちは狂人扱いするようになる。やがてアグネスは、村から、この世界から自由になるため、驚くべき行動に出る。
監督・脚本は、「グッドナイト・マミー」のヴェロニカ・フランツ&ゼヴリン・フィアラ。最新作となる本作では、世界との不和を理由に、この世から消え去ってしまいたいと願う女性が、宗教上自死することも許されず、やがて驚くべき行動に出てしまうという、陰惨で衝撃的な物語となっている。実際の裁判記録を元に、宗教とタブーに支配された歴史の暗部を、今なお響く痛みとして現代によみがえらせている。
【作品情報】
デビルズ・バス
2025年5月23日(金) 新宿武蔵野館 ほか 全国ロードショー
配給:クロックワークス
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