映画「旅立つ息子へ」&「子育て学協会」コラボ座談会開催 映画を題材にした講座も

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映画「旅立つ息子へ」&「子育て学協会」コラボ座談会開催 映画を題材にした講座も

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 子育てに人生のすべてをささげた父と自閉症スペクトラムの息子の逃避行を描く映画「旅立つ息子へ」と、子育ての専門家の育成など子育てに関わる保護者や人の成長を支援する「NPO 法人子育て学協会」がコラボしたオンライン座談会が、20日に実施された。座談会には、NPO 法人子育て学協会の山本直美会長、河本晃氏、平塚勇太氏がリモートで参加した。

 はじめのテーマは「家族と個人の孤立化」。山本会長は「いろんな家族が孤立化している場面によく会う。特に障がいを持ったお子さんがいる家族で、映画の葛藤は本当にリアル。障がいもそれぞれで、この映画はそんな子供達について知るきっかけになり、それが社会への理解につながる」と語った。河本氏は「映画では父親が良かれと思ってやる行動で、どんどん世界が狭くなる。出来るだけ仲間を増やす、関係を増やすことが大切」と子育てをする父親の姿から学ぶことがあったと振り返った。平塚氏も「父親は相談やさらけだすのが下手、アドバイスを避けて逃げていく印象を受けた」とコメント。河本氏は「父親がプライドを横におけるかが、子供の感情に気づくきっかけかも。父親が悲しいという気持ちをネガティブに捉えると、その気持ちを感じとることができない」と語り、感情に向き合うことが子育てで大切であることを語った。

 その後、「子供との距離感や巣立つタイミング、巣立った後の夫婦関係」についても語り合われた。後半には、「映画をより楽しむために子育て学協会の映画のみかた」とした講座が行われ、映画を題材に、夫婦の対話、ファミリービルディング、青年期の子育てなどについて語られた。座談会・講座の様子は、「旅立つ息子へ」を配給するロングライドの公式YouTubeチャンネルで視聴できる。

 「旅立つ息子へ」は、深い絆で結ばれた自閉症スペクトラムを抱える息子と父の2人が、引き離されないため逃避行に出る物語。親としての葛藤、子供への深い愛、やがて訪れる巣立ちの時を描いている。監督を務めるのは、東京国際映画祭で2度のグランプリ受賞を果たした唯一の監督である、イスラエルのニル・ベルグマン。息子ウリ役を演じた新人ノアム・インベルは、オーディションでこの役を勝ち取り、自然な姿で複雑なキャラクターを体現している。

【作品情報】
旅立つ息子へ
2021年3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
配給:ロングライド
©︎ 2020 Spiro Films LTD.

  • 作品

旅立つ息子へ

公開年 2020年
製作国 イスラエル、イタリア
監督  ニル・ベルグマン
出演  シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
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