師匠の作家が弟子に「ひ弱な貴族」 元貴族のプライド傷つける 「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」本編映像

映画スクエア

 太宰治の「斜陽」を原作とした映画「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」から、居酒屋で激論を交わす師弟をとらえたシーンの本編映像が公開された。自由に生きるためにその身を削って執筆を続ける作家・上原(安藤政信)と、上原の言葉によってプライドを傷つけられたかず子の弟・直治(奥野壮)のぶつかり合いが切り取られている。

 母親の宝石を売った金で出版事業を始めると語る直治。だが上原は、「お前に商売なんかとても無理だ」「お前は偽者だ。文学青年ぶって洒落た口をきいているが、みんな小手先の小細工じゃねえか」「お前は根っからのひ弱な貴族よ」と言い放つ。「失うものは何もない」と開き直る直治だが、上原は「甘っちょろい野郎だ。世の中は金だ。他人の金をかっぱらって生きるのが人間じゃねえか。たかることもできなきゃ野垂れ死にするだけよ」と、貴族のプライドを捨てきれない直治を糾弾する。返答に窮した直治は、絶縁宣言をしてその場を立ち去ろうとする。

 「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」は、戦後の日本を舞台に、没落貴族の娘かず子と彼女が思いを寄せる売れっ子作家との“恋と革命の物語”。増村保造監督と脚本家の白坂依志夫が遺した草稿脚本を元に、近藤明男監督が脚本を仕上げ、準備から5年の歳月をかけて完成した。山日YBSグループ創業 150周年記念作品として製作され、太宰治が新婚時代を過ごした山梨県内でも撮影された。

【作品情報】
鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽
2022年10月28(金)よりTOHOシネマズ甲府シアターセントラルBe館にて先行公開、11月4日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開
配給:彩プロ
©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会(オフィス近藤 アップサイド 実正寺 スペースT ぱあとなあ ハーモニー ライジングシネマ 山梨日日新聞社 山梨放送)

新着コンテンツ