高齢者売春クラブを舞台に描く群像劇 「茶飲友達」メイキング映像

映画スクエア

 外山文治監督最新作「茶飲友達」(公開中)から、2種類のメイキング映像が公開された。

 公開されたのは、「Her Family」「My Family」の2種類。「Her Family」は、「岡本玲の想い」と題して、主⼈公の佐々木マナを演じた岡本が、撮影時を振り返るインタビューと現場の映像で構成されている。「My Family」は、外山監督が「この映画のコンセプトです」と語るエリック・サティの「あなたが欲しい」をBGMに、岡本玲の笑顔や、渡辺哲を演出中の外山監督、孤独な高齢者と若者による“擬似家族”をテーマにした本作らしい、若者チームとシニアの”ティー・ガールズ”たちが談笑する様子などが収められている。

 「茶飲友達」は、会員数男性1000名、女性350名、最高齢は88歳の高齢者売春クラブが2013年に摘発された、実際の事件を基にした作品。「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立した佐々木マナは、新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、男性の元へ高齢女性を派遣するビジネスを始める。在籍する女性たちの中には、介護生活に疲れた者、ギャンブルに依存した者など、さまざまな事情を抱える者がいる。一方、「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、閉塞感を抱えて生きている。若者や高齢者を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、疑似家族のような絆を育んでいく。

 高齢者の孤独に寄り添いながら自身も心に寂しさを抱え、ファミリー=“疑似家族”の中に居場所を求める主⼈公・マナを演じるのは、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍する岡本玲。監督は、「燦燦-さんさん-」「ソワレ」などの外山文治が務める。「カメラを止めるな!」などを送り出したENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の10作目となる。

 2月4日から都内1館のみの公開から始まったが、3月31日現在で66館まで公開劇場が拡大している。

【作品情報】
茶飲友達
上映中
配給:イーチタイム
©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

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