映画スクエア
2025年5月23日より劇場公開される、寺尾聰と松坂桃李が主演を務める映画「父と僕の終わらない歌」から、アルツハイマー型認知症を患い記憶を失っていく間宮哲太役の寺尾聰、父を支え続ける息子・雄太役の松坂桃李、そして強く優しい母・律子役の松坂慶子の3人が本作について語る、特別映像が公開された。
記憶を失う父と、そんな父を支える息子と母を演じた3人。演技力に加えて歌の説得力が必須な哲太役をオファーされた寺尾は、「まず誰と一緒に仕事ができるか、そこからなんですけど」と切り出すが、松坂桃李と松坂慶子と共演することが決まり、「どんな役でもいいよ!」と快く引き受けたという。
撮影現場では、初日から家族の空気を醸し出していたという3人。松坂慶子は、「私はそそっかしいので、今回は深々とした夫と静かにいろいろと考える息子とキャッチボールができて楽しかった」と語る。対して松坂桃李は「ちょっと緊張していたんですけど、現場に入ると、この母親と父親がいるから雄太という息子がいることがすごく分かって、よかったと思えたんです」と、2人の温かさを現場で感じたことを明かしている。
映画の原案となった親子の動画をみた松坂桃李は動画から親子の温かさを感じ、日本で公開する意義を感じたという。「僕もありがたいことに家族を持って、先々のことを考えたときに、他人事ではないと思えました。息子に対する父親の想いや息子の父親や母親に対する想いが溢れでた作品なので、自分も家族愛じゃないですけど、温かい家族を築き上げていきたい」と、本作に出演して自身に重ねて感じたことを話す。インタビューの最後は、「最高でしょ!この家族」という寺尾の言葉と、3人の笑顔で締めくくられている。
「父と僕の終わらない歌」は、かつてレコードデビューを夢見たものの、息子・雄太のためにその夢を諦めた父・哲太の物語。横須賀で楽器店を営みながら、時折地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきたユーモアたっぷりで人気者の哲太は、ある日、アルツハイマー型認知症と診断されてしまう。すべてを忘れゆく父をつなぎ止めたのは、彼を信じ支え続けた息子、強く優しい母、強い絆で結ばれた仲間、そして父が愛した音楽だった。哲太の夢が、雄太ら家族やみんなの夢となって再び動き出す。
本作は実話が基になっている。2016年のイギリスでYouTubeに投稿された1本の動画が、世界中を感動を呼んだ。ドライブの車中で楽しそうに歌う父と息子。助手席に座り、抜群の歌唱力で伸びやかに歌い上げる父テッド・マクダーモットは、アルツハイマー型認知症を患っていた。この動画は同じ境遇にある世界中の家族に感動と希望を与え、再生回数は6000万回以上を記録。これがきっかけとなり、父テッドは80歳にしてCDデビューを果たし、イギリス最高齢の新人歌手となった。
実話をもとにした本作でメガホンをとったのは、「タイヨウのうた」「ちはやふる」シリーズなどの小泉徳宏監督。横須賀に生きる父と息子に置き換えて描く。音楽とユーモアをこよなく愛し、生まれ育った横須賀で楽器店を営む父・間宮哲太を演じるのは、77歳になった今も俳優・ミュージシャンとして第一線に立ち続ける寺尾聰。「さまよう刃」以来、16年ぶりに映画で主演を務める。そんな父を支え続ける息子の間宮雄太を、松坂桃李が演じる。ほかに、松坂慶子、佐藤栞里、副島淳、大島美幸(森三中)、三宅裕司、石倉三郎、齋藤飛鳥、佐藤浩市が顔をそろえている。
【作品情報】
父と僕の終わらない歌
2025年5月23日(金)全国の劇場で公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会