雨や雷、虫の声や牛の咀嚼音 森羅万象の息づかいが立ち現れる 坂本龍一の楽曲も使用 「黒の牛」予告

映画スクエア

 2026年1月23日より劇場公開される、2024年東京国際映画祭でプレミア上映され、第49回香港国際映画祭にて日本映画初の火鳥賞(グランプリ)を受賞した映画「黒の牛」の、予告編が公開された。

 予告編は、禅僧として出演する田中泯による、「私は、何者でもありたい」というセリフから始まる。生前、本作への参加を表明していた坂本龍一による楽曲「20210310」(アルバム「12」収録)とともに、雨や雷、虫の声や牛の咀嚼(そしゃく)音といった自然音が重なり合い、森羅万象の息づかいが静かに立ち現れる映像となっている。

 あわせて公開された本ビジュアルは、映画本編が採用するスタンダード(白黒)とシネスコ(カラー)の、2つの画面サイズで表現された世界を描き出したデザインとなっている。リー・カンション演じる「私」が、自己という「牛」を探し、一体化するように横たわる白黒カットと、遠景に爆発が映り込むカラーカットで構成され、作品がまとうスケールと哲学性を提示している。題字は、ティザービジュアルに引き続き、リー・カンションが手がけている。 

 映画公開を記念したイベントの開催も決定した。現在、墨田区・牛嶋神社にて開催中の「映画『黒の牛』特別展覧 ― 牛嶋神社」の特別プログラムとして、本作に出演する田中泯が、その場所・空間に身をゆだねながら、即興的に生み出す「場踊り」を披露する。さらに、来日する主演のリー・カンションと田中泯、蔦哲一朗監督とのトークイベントも開催する。詳しくは、映画「黒の牛」の公式Xアカウントで確認できる。

 「黒の牛」は、禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得て制作された作品。「フィルム以外では映画を撮らない」と明言し、独自の映像哲学で映画制作を続ける蔦哲一朗監督が、全編をフィルムで撮影。長編劇映画の撮影としては日本初になるという70ミリフィルムも一部で使用している。

【作品情報】
黒の牛
2026年1月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿K`s cinema他 全国公開
配給:alfazbet、ニコニコフィルム、ムーリンプロダクション
©NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS

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