映画スクエア
2025年8月1日より広島で、8月2日より全国順次公開される、「フープ・ドリームス」「スティーヴィー」などで知られるドキュメンタリー作家スティーヴ・ジェームズ監督の最新作「原爆スパイ」の、予告編が公開された。
予告編では、天才物理学者テッド・ホールの、驚くべき人生の軌跡をたどると同時に、冷戦へとつながる大国の思惑が浮かび上がるものになっている。キノコ雲を上げる長崎への原爆投下の記録映像や「わが国は革命的な破壊力向上を達成した」と語る当時のハリー・S・トルーマン米国大統領の映像からは、当時の社会状況が垣間見える。テッドは、「米国による原爆の独占は危険だ」と考え、ソ連との接触を決意。のちにその動機を問われた彼は、「思いやりかな」と答えている。一方、中性子爆弾の開発者サミュエル・T・コーエンは、テッドを「射殺すべきだ」と語るように、彼の存在はアメリカではタブー視されている。大国の思惑と“個人の決断”が交錯し、知られざる真実が明らかになる本作の一端が収められている。
「原爆スパイ」で描かれるのは、第二次世界大戦下、「マンハッタン計画」に最年少の18歳で採用され、原子爆弾の研究・開発に携わった天才物理学者テッド・ホール。彼は開発に関わる国家機密をソ連へとひそかに流していた。彼の動機、1人の物理学者の大胆な行動が世界をどう変えたのか、なぜ同様の容疑で死刑判決が下ったローゼンバーグ夫妻は裁かれ、彼は裁かれなかったのか、そして妻と娘たちは“スパイの父”とどのように秘密を共有し、ともに生きてきたのかを追う。「原爆投下」に疑義を突き付けるテッド・ホールと家族の物語をひも解き、大国の思惑を明らかにするドキュメンタリーとなっている。
【作品情報】
原爆スパイ
2025年8月1日(金)より広島八丁座にて先行ロードショー、8月2日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開以後全国順次上映
配給:パンドラ
© Participant Film