映画スクエア
2025年6月6日より劇場公開される、オーストリアのダニエル・ヘールス、ユリア・ニーマン監督作品「我来たり、我みたり、我勝利せり」の、上級国民であるアモンが優雅に人間狩りを行う衝撃的な冒頭シーンの映像と、場面写真が公開された。
映像は、「誰が私を止めるのか?それが問題だ」という、アメリカにおける新自由主義思想の象徴とも呼ばれるアイン・ランドの言葉から始まる。山道をサイクリングする男が急勾配の坂道を登っている最中に、銃声とともに肩を撃ち抜かれる男。突然の出来事にガードレールにもたれかかり傷口を確かめようとするや否や、二発目の銃弾を撃ち込まれ、そのままの勢いで後ろに倒れてがけから落ちてしまう。
すると、同じくサイクリングウエアにヘルメットをかぶり、左手には猟銃を持った大富豪のアモンと、大きなカバンを持った執事のアルフレートが現れる。アモンはすれ違う他のサイクリストたちに愛想よくあいさつをかわし、堂々たる振る舞いを見せる。アルフレートはカバンから靴を取り出すと、アモンは靴を履き替え、猟銃をアルフレートに託し、何事もなかったかのように自分が殺した男の自転車にまたがる。「リサイクリングですね、ご健闘を」と声をかけるアルフレートとハイタッチを交わし、アモンは颯爽(さっそう)と走り去る。全身に風を浴びながら、たかぶったアモンは快感のおたけびを上げる。
場面写真では、アモンファミリーの仲むつまじさや、けた外れの金持ち具合がうかがえるショットが切り取られている。
「我来たり、我みたり、我勝利せり」の主人公は、エレガントな億万長者かつ愛情深いファミリーマンで、趣味の狩りに情熱を注いでいるアマン。しかしアマンは、狩りと称して無差別に“人間”を狩り続けている。娘のポーラは、そんな父の傍若無人な姿を目の当たりにしながら“上級国民”としてのふるまいを着実に身につけていく。ある日、ポーラは父に“狩り”に行きたいと言い出す。
【作品情報】
我来たり、我みたり、我勝利せり
2025年6月6日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか 全国順次公開
配給:ハーク
©2024 Ulrich Seidl Filmproduktion GmbH