映画スクエア
ジョン・ウォーターズ監督による1970年の映画「マルチプル・マニアックス」と、2000年の映画「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」が、2022年1月1日より劇場上映される。上映に先立ち、ウォーターズ監督によるビデオメッセージが公開された。
映像の冒頭で、上映に「立ち会いたかったな」と、新型コロナウイルスで渡航が難しかったことを残念がる姿を見せるウォーターズ監督。「マルチプル・マニアックス」については、「通称を“セルロイドの残虐行為”」と語り、公開当時は「わいせつだ」とけなされ、ある審査員には「90分間、目が侮辱された」と言われたことを振り返っている。そして、ウォーターズ作品に欠かすことのできないディヴァインについては、「ディヴァインはゴジラ」とウォーターズ流の最大級の賛辞を贈っている。
「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」については「あれは映画のテロだった」と語り、「今でもあんなことができるか?」と自身に問いかけると、「もちろんできる」と答えている。そして、「コロナ陽性者を映画館に入れ、古くなった軽食を提供。どうせ味覚がないから、気にしないさ」と、ウォーターズ監督らしいシニカルでウィットに富んだジョークを披露している。さらに、12月下旬に刊行されるジョン・ウォーターズが著した「ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク」にも言及。66歳の時にヒッチハイクした経験から執筆したことを語っている。
「マルチプル・マニアックス」は、ウォーターズが23歳の時に作られた作品。「ピンク・フラミンゴ」と同じく巨漢のドラァグクイーンのディヴァインが主演を務める。野原に建てられたテント小屋では、アブノーマル・セックス、吐き出したゲロを食う男、ヘロインの禁断症状などを売り物にした変態ショーが行われている。ディヴァインはその一団の座長で、集まった客を射殺しては逃げ回るなど、その悪行はとどまるところを知らない。内縁の夫デヴィッドがたまらずディヴァインを殺そうとするが、ディヴァインはそう簡単にはやられず、常軌を逸した殺し合いが繰り広げられる。
「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」は、映画狂の監督とその仲間たちが、ハリウッド女優ハニーを誘拐し、彼女を主演に仕立てた史上最強のインディーズ映画の撮影を始める映画。強大なハリウッドの映画システムと闘う反逆精神に満ちたコメディで、ウォーターズ自身が最愛の作品と語っている。
【作品情報】
マルチプル・マニアックス
2022年1月1日(元旦)、新宿 K's cinema にてロードショー
配給:アダンソニア
©Janus Films
セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ
2022年1月1日(元旦)、新宿 K's cinema にてロードショー
配給:アダンソニア
©Tamasa Distribution