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「第31回全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の結果発表

1植本さつき

山口県柳井市の植本さつきさんのピラミッド型お墓が大賞受賞

2025年7月4日
全優石

亡き父の人生を見つめ直し、どんな人物だったのかをお墓の形に残すには?残された家族の深い祈りと父への敬意、そして未来への願いを込めて選ばれたのがピラミッド型のお墓でした。山口県柳井市の植本さつきさんが亡父のために建てたお墓が、「第31回全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の「大賞」を受賞しました。

ピラミッドは、古代から“永遠"の象徴とされてきた形です。何千年も風雨にさらされながら、それでも崩れずに残ってきたあの姿に、私たちは「人が生きた証」を重ねました。亡父もまた、目立つことを好まず、でも確かに多くの人の心に残るような、静かで芯のある人でした。その生き様を風化させたくなかったのです、と植本さんは語ります。


「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」は、北海道から沖縄まで、全国の優良石材店約200社によって構成する墓石業者の全国組織「全優石」(正式名称:一般社団法人 全国優良石材店の会、会長:吉田 岳、事務局:東京都品川区上大崎2-7-15)が、亡くなった方への哀悼、追憶、愛情などのご家族の想いを込めた素敵なお墓づくりの存在を、より多くの方に知って戴くことを目的として実施しているもので、今年で31回目を数えます。
お墓の形状のユニークさだけではなく、ご家族がどれだけお墓に想いを込めているのかが審査対象となる為、お墓の写真にそのお墓にまつまわるエピソードを添えて応募いただきます。
応募資格はお墓の所有者かその家族、または家族の了解を得た石材店という条件付きです。今年5月末の締切までに全国の26名から応募が寄せられました。審査の上、大賞1名、特別賞3名、入賞7名が決定しました。

大賞に輝いた植本さんのお墓は、豊かな緑に囲まれた明るく開放感のある墓地に突如現れたピラミッド型のお墓です。鏡面仕上げの光沢のある黒御影石には、樹木や青空を映し出し、周囲と調和のとれたとても美しいお墓です。こうした外見の素晴らしさに加え、家族みんなで大切なお父様の人生にしっかり向き合い、亡父と交わした言葉や、支えてくれた日々に想いを馳せ、それを「意味のある形」として残したいと考えられたご家族の愛情や敬意がしっかり伝わってきます。お墓参りに行くたびに、「やっぱり、お父さんらしいな」と感じられるとのことで、まさに亡父への深い想いがこもった素晴らしいお墓です。

特別賞には3名が選ばれました。
青森県上北郡のMさん(匿名希望)は、亡父への「ありがとう」の気持ちと、自分がお墓に入る時も家族から「ありがとうね-」 と言ってもらいたいという願いを込めてお墓に「ありがとう」を刻みました。さらに墓誌には亡父の好きだった朝顔を象嵌加工してあります。


埼玉県三郷市の中村清次さんは、17 才~80 才迄の63年間の生涯をステレオ制作に捧げた匠です。そこで人生を象徴するレコードプレーヤー型お墓を建立し特別賞を受賞しました。盤面に「感謝」の言葉と、中央のラベルシールには真言宗の梵字が刻まれています。今や音楽を聴く場合はCDが全盛ですが、レコードは音質に温かみや柔らかさを感じさせることが多いとして根強いファンがいます。レコードにはデジタルにはない音の持続性があるように感じるし、今の若い方にレコードの良さを知ってもらいたいと中村さんはレコード愛を述べます。


長野県伊那市の北原浩平さんは、家族の中心であった亡き妻の姿を観音様に、そして亡妻の好きだった蓮の花を彫刻したお墓で特別賞を受賞しました。4人の子供を育て上げ、孫にも固まれこれから二人で人生を楽しもうとしていた矢先に妻が病魔に襲われました。建立したお墓は、妻が観音様になって優しい眼差しで家族の一人一人を見守ってれているかのようです。大好きだった蓮の花の上で……今では静かに手を合わせ妻といろんな話をしています。家族の拠り所となりましたと語ってくれます。


入賞は7名です。
宮城県仙台市の石田光晴さんは、禅語の「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)をアレンジした「日日是光日」をお墓に刻みました。もともと「日日是好日」は、今日の一日は二度とないかけがえのないひと時という意味です。石田さんの家系図では「光」の文字は、祖父の代から光次、光明、光晴と三代続いています。そこで好日を光日と組み替えました。結果、日々が光輝いているという「希望に満ちたお墓」に仕上がっています。


山梨県北杜市の持留和也さんは、東京から移住してきた家の敷地内にあった自然石を、息子たちと一緒に選択し、お墓を建立しました。この地方ではこうした身近にある自然石をお墓にする人が連鎖的に増える傾向にあります。持留さんの亡妻は自然が大好きな人だったので、自然石の表面を削らずに、そのまま名前を刻んでもらっています。お墓の前には木製のベンチを設置してあります。


埼玉県ふじみ野市の宇佐見佳之さんは人生の集大成とも言える「生前墓」建立で入賞しました。お墓は単なる終の住処ではなく、家族が集い、語らい、未来を見つめる場であってほしい。そんな思いから、家族で何度も話し合いを重ね、カタチにしていきました。墓石には「道」という一文字を刻みました。私と妻、そして息子と娘、4人で歩んできた家族の道。人生の道。未来への道。その象徴として、私たち家族がよく訪れた新潟県南魚沼の魚野川沿いを、谷川連峰を望みながら家族4人で歩く後ろ姿を、私が揮毫した「道」の文字とともに、彫刻として刻みました。


香川県高松市の福森義雄さんは、亡き妻のお墓で入賞しました。日頃から自然を愛する、心優しい人だったという想いから自然の形で、将来お参りする家族がいない可能性もあるので記念碑的なお墓に仕上がりました。


北海道札幌市の廣瀬 誠さんは、北海道南西沖地震で被災した奥尻島の生まれで、現在は札幌に住んでいます。島に墓守は誰もいないので無縁墓になるのは目に見えていると言います。それでもこの島に生まれた証として、墓+祈念碑を海の見えるこの地に建立し、生まれた場所でまた自然に還る事にしました。奥尻島の形をした自然石を載せ、両手を合わせて拝んでいるような「祈り」を表現した墓石は、北海の孤島で威風堂々と異彩を放ちます。


福島県いわき市の佐伯哲夫さんは、クリーニング店で一生懸命働いた亡父を偲び商売道具のアイロンを刻み入賞しました。「お父さんが死んだら、商売道具のアイロンをいっしょに埋めてくれ。」と懇願された記憶が蘇ります。またお墓には花を彫刻。お墓参りには月に一度程度しか行けないので、生花の代わりになればとの願いが込められています。


大阪府吹田市の濱野玲子さんは亡夫のお墓で入賞しました。同級生でトロンボーン奏者として活躍していた亡夫のために、墓石にトロンボーンとディズニーアニメのアラジンの中の1曲” A Whole New World”の楽譜を刻みました。濱野さんは、こうして建てたお慕をお墓だとは思っていないと語ります。亡き夫と私の新居だと思っています。いつか私が夫の元へいったとき、また一緒に暮らす新居。二度とお別れのない永遠に続く世界。ここでずっとずっと一緒に暮らすのだと躊躇なく語ります。


こうしたお墓づくりの感動のエピソードに触れると、お墓づくりはそれぞれの人がファミリーヒストリーを紡ぐ営みだと感じます。自らに連なる故人を敬い、感謝し、さらには残された家族の未来の幸せをも願う。だからお墓は単なる終の住処ではなく、家族が集い、語らい、未来を見つめる場であり、自らのアイデンティティを探る取り組みです。受賞者の皆様が本懐を遂げたことに「あっぱれ!」と声援を送りたいと思います。

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