壮大な山脈の下で繰り広げられた、チリ弾圧の歴史描く3部作最終章 ドキュメンタリー「夢のアンデス」予告

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 10月9日より劇場公開される、40年以上に渡りチリの弾圧の歴史を描いてきたパトリシオ・グスマン監督による最新ドキュメンタリー映画「夢のアンデス」の、予告編が公開された。グスマン監督自身がナレーションを担当している。

 予告編は、グスマン監督の幼少時の記憶に残っているという、マッチ箱に描かれたアンデス⼭脈から始まり、「⼭々は歴史の⽬撃者だ」というグスマン監督⾃⾝のナレーションが静かに問いかけてくる。そして、1973年9⽉11⽇に起こったチリの軍事クーデターから独裁政権への移⾏、ピノチェトが主導する独裁に反対する⼈々の反抗、新⾃由主義の実験場となってしまったチリの悲劇が、証言者の言葉とともに映し出される。一方で、ただ静かにそこにあり続けたアンデス⼭脈の存在の大きさについても描かれている。

 「夢のアンデス」は、「光のノスタルジア」「真珠のボタン」に続く、グスマン監督が描いてきたチリの叙事詩3部作の最終章。左派政権が倒され、ピノチェト政権による弾圧や虐殺が行われた、1973年のチリのクーデター。そのクーデターを「チリの闘い」(1975-1978)で映像に残したグスマン監督が、左派政権時代の歴史と、クーデター後に新自由主義の実験の場となってしまった祖国の現状を、俯瞰した視座から改めて見つめ直す。2019年カンヌ国際映画祭で、最優秀ドキュメンタリー賞とインディペンデント批評家賞をダブル受賞する評価を受けている。

壮大な山脈の下で繰り広げられた、チリ弾圧の歴史描く3部作最終章 ドキュメンタリー「夢のアンデス」予告

【作品情報】
夢のアンデス
2021年10月9日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
配給:アップリンク
(c) Atacama Productions - ARTE France Cinéma - Sampek Productions - Market Chile / 2019

  • 作品

夢のアンデス

公開年 2019年
製作国 チリ、フランス
監督  パトリシオ・グスマン
出演  フランシスコ・ガシトゥア、ビセンテ・ガハルド、パブロ・サラス、ホルヘ・バラディット
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