現在劇場公開中の、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎を描いた映画「HOKUSAI」から、「富嶽三十六景」でも使用された、北斎ブルーとも言われる「ベロ藍」を発見したシーンの、本編映像が公開された。
公開された本編映像では、新しい絵を描く手法を追いかけていた北斎が、ベロ藍の美しい色合いを見つけ、絵の具の入った器を手に取って、雨の外へと出ていく姿が映し出される。雨に打たれながら北斎は、ベロ藍の絵の具を頭から自らにかける。そして、ベロ藍に染まりながら、歓喜に酔うかのように、雨中で舞い始める。
当初の脚本には舞を踊るという演出はなく、舞は北斎を演じた田中泯のアドリブだったという。突然雨の中に飛び出した田中にスタッフは驚嘆し、カットがかかると思わず現場は拍手に包まれたというエピソードが残されている。
「HOKUSAI」は、世界中に影響を与えている葛飾北斎が、抑圧に負けずに“表現の自由”を求めて自分の道を貫く姿を描く。北斎の青年期を柳楽優弥が、老年期を田中泯が演じている。北斎に目をつける蔦屋重三郎を阿部寛が、柳亭種彦を永山瑛太が、歌麿を玉木宏が、北斎の妻・コトを瀧本美織が、高井鴻山を青木崇高が演じる。
【作品情報】
HOKUSAI
2021年5月28日公開
配給:S・D・P
©2020 HOKUSAI MOVIE