映画「ホテルローヤル」の初日舞台あいさつが13日に都内で行われ、主演の波瑠さん、松山ケンイチさん、安田顕さん、友近さん、武正晴監督が登壇した。主人公の雅代を演じた波瑠さんは、クライマックスのシーンについて、見逃さないで欲しいシーン、原作者の桜木紫乃さんから受けた影響などを語った。
クライマックスのシーンについて聞かれた波瑠さんは、服を脱ぐシーンがあり、服を脱ぐ時のクセは自分しか知らないことから、「たくさんの人にクセを見られてる気がして、恥ずかしいなと一瞬思いました」と語りながらも、「そういうちょっとしたところに人間くさい感じとかが一緒に出てくれればいい」と、恥ずかしい思いを超えて役柄に身を任せたことを明かした。
見逃さないで欲しいシーンについては、ボイラー室での女性従業員とのシーンを挙げ、親とは仲が良いとは言えない主人公の雅代が安心できる空間で、温かみを感じたためとであることを理由として挙げた。
また、本作の取材などで一緒になった原作者の桜木さんと話をした時に、「何かから積極的に逃げるということは、発想の転換をしていくと、とても前向きな行為なんじゃないか」という桜木さんの言葉に、「目からウロコだなと」と思い、「私もきっと、ある時の自分からバッて逃げてきた今の自分なんだなと思った」と、桜木さんとの出会いが「私の人生をちょっと豊かにしてくれる、すごい貴重な時間だった」と感じ入っていた。
最後に波瑠さんは、直木賞を受賞した時に読んだ原作の主人公を演じたことの感慨を語り、全国の映画館でライブビューイングで見ている観客に向けて、「映画を楽しく見て、帰っていただけたらと思います」と呼びかけた。
「ホテルローヤル」は、累計発行部数100万部を超える桜木紫乃さんの直木賞受賞作の映画化作品。桜木さんの実家だったラブホテルを舞台にした七編の連作小説を、現代と過去を交錯させた一つの物語として映像化している。ラブホテルと共に人生を歩む雅代が見つめてきた、切ない人間模様と人生の哀歓が描かれている。メガホンをとるのは、「百円の恋」「嘘八百」「全裸監督」などの武正晴監督。主人公であるホテル経営者の一人娘の雅代を波瑠さんが演じている。
ホテルローヤル
11月13日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:https://www.phantom-film.com/hotelroyal/
©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会