2025年10月24日に劇場公開される、第二回大藪春彦新人賞受賞作である西尾潤の同名小説の映画化作「愚か者の身分」から、タクヤ(北村匠海)が、SNSで女性を装い、男を誘い出す“闇”ビジネスの一端を捉えた本編映像が公開された。
クルミ、リリカ、アカネ、エレナと、マモル(林裕太)の前には、女性の名前が貼られたスマホがずらりと並ぶ。次々に届く男性からのメッセージに女性を装って返信していくマモル。相手をおびき寄せ、個人情報を巧みに引き出しながら、最終的には戸籍売買へと誘い込むのだ。ところがそこへ帰宅したタクヤが現れ、マモルの稚拙なメッセージの返信に「アハって…お前、何時代の人?」とあきれ顔を見せる。スマホを奪い取り、女性になりきったしぐさで余裕たっぷりに返信をするタクヤ。「お腹減った…何食べよ」「お肉!!でも私、一人でお店入ったことない」「マジで? 俺でよかったら付き合うけど」「うそ!?やたー!」と、わずか数秒で男性を“釣り上げた”タクヤは、「はい、釣れた!口に出すんだよ、コツは。なりきれ」とドヤ顔を見せる。
闇バイトという危険なシーンでありながらも、タクヤとマモルが心を寄せ合う兄弟のような姿が見られ、闇と日常の風景のコントラストが描き出されたシーンとなっている。
「愚か者の身分」は、貧しさから闇ビジネスの世界に足を踏み入れてしまい、抜け出せなくなった3人の若者たちの運命と、友との絆を描く。彼らの“3日間”の出来事を、3人それぞれの視点が交差する展開でエンターテインメントに仕上げながら、若者たちの貧困、世界に侵食される日本、闇ビジネスの深淵などの社会的テーマも織り込まれている。
SNSで女性を装い、身寄りのない男たちを利用して“戸籍売買”で稼ぐ主人公・タクヤ役に北村匠海。裏社会の運び屋で、かつてタクヤを“闇ビジネス”に誘い、戸籍売買の仕事を教えた兄貴的存在の梶谷役に綾野剛。複雑な家庭環境で家族の愛を知らずに育ったマモル役に若手俳優の林裕太が顔をそろえる。監督は、岩井俊二の元で長年助監督として活躍した永田琴。Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズや「幽☆遊☆白書」などの話題作を手掛ける、グローバルコンテンツを創造するプロデューサー集団「THE SEVEN」による初の劇場作品となっている。
【作品情報】
愚か者の身分
2025年10月24日(金) 全国公開
配給:THE SEVEN ショウゲート
©2025映画「愚か者の身分」製作委員会