津軽三味線が得意な高校生描いた「いとみち」 大阪アジアン映画祭でグランプリ&観客賞をダブル受賞

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津軽三味線が得意な高校生描いた「いとみち」 大阪アジアン映画祭でグランプリ&観客賞をダブル受賞
横浜聡子監督

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 3月14日に閉幕した第16回大阪アジアン映画祭で、津軽三味線が得意な高校生を描いた映画「いとみち」が、グランプリと観客賞をダブル受賞した。2011年にコンペティション部門を創設以来、日本映画がグランプリを受賞するのは初となる。

 グランプリの受賞理由として、「デビューから13年、横浜聡子監督が故郷、青森に戻り、深度のある人物像を構成したことを、評価しました。定型のフィクションドラマなのにステレオタイプにならない魅力がこの作品には満ち溢れています。ヒロイン役、駒井蓮さんの独特のビートに心がわき踊りました」と発表された。

 「いとみち」は、津軽三味線が得意な青森・弘前市の高校生の相馬いとを主人公とした作品。駒井蓮がいとを、豊川悦司が父親を演じている。強い津軽弁のなまりにコンプレックスを持ついとが、一大決心をして津軽メイド珈琲店でのアルバイトをはじめたことをきっかけに、祖母、父、バイト仲間たちに励まされて成長していく姿を描く。タイトルの「いとみち」は、津軽三味線を弾く時に爪にできる「糸道」が由来となっている。越谷オサムによる同名の青春小説を原作とし、舞台となった青森県の津軽地方でロケ撮影された。

 横浜聡子監督は、「『この映画は観客にどんな風に伝わるんだろう?』と幾分緊張しておりましたが、その緊張が、『審査委員の方々やお客様に何かしら伝えることができたのかもしれない』という小さな実感と喜びに徐々に変わり、今じわじわと胸に押し寄せております」とコメント。いと役の駒井蓮は、「『いとみち』とお客さんの心が触れ合い、その想いが届いたのだと感じ、とても嬉しかったです」と喜びを語っている。

【コメント】

■横浜聡子監督
今回初めて大阪アジアン映画祭に参加させていただいたことだけでも大変喜ばしいことでしたが、映画『いとみち』がグランプリと観客賞をいただくことができたと聞き、素直に驚いております。『いとみち』初回上映時に客席にいながら、「この映画は観客にどんな風に伝わるんだろう?」と幾分緊張しておりましたが、その緊張が、「審査委員の方々やお客様に何かしら伝えることができたのかもしれない」という小さな実感と喜びに徐々に変わり、今じわじわと胸に押し寄せております。コロナ禍が続く中、映画祭開催に尽力された関係者の皆様、そして劇場に足を運んでくださった皆様にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!

■駒井蓮コメント
『いとみち』は、今までにない程青森独自の雰囲気が生きていて、横浜監督の演出によりその青森の魂が心地良く映し出されている、本当に素敵な映画だなと私自身思っていました。それと同時に、この映画は青森、日本中、世界のお客さんによって捉え方が異なるのだろう、ではどのように届くのだろうか、とも考えていました。
そのため、この度、大阪アジアン映画祭のグランプリ、観客賞という素晴らしい賞を授かり、『いとみち』とお客さんの心が触れ合い、その想いが届いたのだと感じ、とても嬉しかったです。受賞が分かった後、横浜監督と連絡をとり「人に伝わる」ことの嬉しさ、有難さについてお話ししました。
映画祭の関係者の皆様、そして劇場まで足を運んでくださった皆様、全ての方々に改めて感謝でいっぱいです。
また、公開は6月ですので、それまで楽しみにお待ち頂けると嬉しいです。

【作品情報】
いとみち
6月18日(金)青森先行上映&6月25日(金)全国公開
配給:アークエンタテインメント
(C)2021『いとみち』製作委員会

  • 作品

いとみち

公開年 2021年
製作国 日本
監督  横浜聡子
出演  駒井蓮、豊川悦司、黒川芽以、横田真悠、中島歩、古坂大魔王、ジョナゴールド
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