パリに生きる女性の苦悩 メグレの心が動き出す 「メグレと若い女の死」本編映像

映画スクエア

 3月17日より劇場公開される、「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」などで知られるパトリス・ルコント監督の8年ぶり最新作「メグレと若い女の死」から、本編映像の一部が公開された。

 公開されたのは、殺された若い女によく似た女性ベティが万引きしようとするところを引き止めたメグレが、食事をさせながら彼女の境遇を聞くシーン。地方からパリに出ることを望み、21歳の誕生日に誰にも告げず始発電車に乗ってやって来たと語るベティに、「なぜ親に告げないのか」「何を期待してパリへ来たのか」と尋ねるメグレ。そのまなざしには、ベティの話を通じて、殺された若い女の境遇を探ろうとする警視としての思惑と、娘に対する父親のような心情が入り混じっている。メグレがこの事件にのめり込んでいく理由が、彼のまなざしの中に垣間見えるシーンとなっている。

 パトリス・ルコント監督はベティ役を演じた新人のジャド・ラベストについて、「彼女は謙虚でいながら、ドパルデューに威圧されることなく堂々と戦っていました。とても良い女優ですよ」と語っている。またジャド・ラベストはジェラール・ドパルデューとの初共演について、「撮影が進むにつれ私たちの間に信頼が生まれたように思います」と語っている。

 「メグレと若い女の死」は、「仕立て屋の恋」の原作者でもあるジョルジュ・シムノンによるミステリー小説「メグレ警視シリーズ」の中でも、深い余韻を残す作品としてファンの人気が高いという、1954年に発行された同名原作を基に描いた作品。1953年のパリ。モンマルトルのヴァンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。血で真っ赤に染まったドレスには5カ所もの刺し傷が残されていた。事件を捜査するメグレ警視は、捜査を進めていくうちに、被害者が殺された理由や彼女の人生を探っていく。ジェラール・ドパルデューがメグレ警視を演じる。

パリに生きる女性の苦悩 メグレの心が動き出す 「メグレと若い女の死」本編映像

【作品情報】
メグレと若い女の死
2023年3月17日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

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