トライアウトを受けられない野球少女　プロの夢に破れたコーチ　2人に芽生える絆　「野球少女」本編映像

2021年03月04日 10:00

　3月5日に劇場公開される、プロ野球選手を目指す天才野球少女スインを描いた映画「野球少女」から、スインとコーチのジンテの間に絆が芽生える瞬間を切り取った本編映像が公開となった。

　公開となったのは、トライアウト（テスト）の参加さえも断られてしまった帰りのバスのシーン。「子供の頃、周りの子たちは“早く大きくなって、プロになりたい”と。私は違いました」とスインが話し始める。「なぜ？」と投げ返すコーチに、女性である自分は「高校で野球はできないと言われた」とスインが応じ、野球を始めてからずっと女子であることで多くの制約と闘ってきたことを語る。さらにスインは、「わたしの未来は誰にも分らない。私でさえも」と、野球への情熱をコーチに伝える。「どう助けたらいい？」と問われたスインは、「分かれば、私もコーチになっています」と答える。プロになる夢に破れた過去を持つコーチは、意を決して「プロに行けなかった俺でもいいのか？」とスインの瞳を見つめる。この言葉を受けとめたスインは、真っ直ぐに彼を見つめると、コーチに「代わりに行きます。それで十分」と固い決意を伝える。かすかな微笑みを浮かべたジンテは、心の奥である決意をするのだった。

　「野球少女」は、最高球速134Kmを誇る”天才野球少女”のチュ・スインが、プロ野球選手を目指す姿を描いた作品。チュ・スインを演じるのは、「梨泰院クラス」で演じたトランスジェンダーの料理長役が話題となり、アジアアーティストアワード2020でアイコン賞を受賞する活躍を見せているイ・ジュヨン。約40日間にわたって独立リーグの選手たちと訓練を受け、すべての野球シーンをスタント無しで挑んでいる。