”歌麿”玉木宏「おめえの描く女には色気がねえ」 ”北斎”柳楽優弥をぶった切る 「HOKUSAI」映像

映画スクエア

 江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎を描いた映画「HOKUSAI」から、勝川春朗の名で絵師をしていた葛飾北斎(柳楽優弥)が、江戸中に知られた美人画の大家・喜多川歌麿(玉木宏)と初対面を果たす本編映像が公開された。

 名絵師を世に送り出した版元である蔦屋重三郎(阿部寛)を訪ねて吉原遊郭へやって来た北斎。そこには遊郭一の花魁(おいらん)の麻雪(芋生悠)を描く喜多川歌麿がいる。「うまい魚があるぜ、おまえさんも食っていけや」と話す歌麿に、北斎は「ぜいたくな物は口に合わん」と反発。すると歌麿は、「おめえの描く女には色気がねえ」「てめえの絵は目の前にあるものを似せて描いただけの絵だ。上っ面だけで、命が見えねえ」と批判する。歌麿の言葉を聞いた北斎は逃げ出そうとするが、蔦屋から「逃げるのか。おまえだけじゃねえぞ、絵師など他にいくらでもいる」と言われて踏みとどまる。

 歌麿や蔦屋の言葉に絵師として奮い立つ北斎の姿、新しい才能にプライドを見せる歌麿の姿が描き出されている。

 本シーンについて北斎を演じた柳楽は「蔦屋(重三郎)さんが歌麿を称賛するのは相当悔しかっただろうなと思います。それでも、周りの人から刺激を受けることはとても大事なことだと感じたので、北斎の“ハングリー精神”みたいなものを演じるのは楽しかったです」と語っている。

 また、歌麿を演じた玉木は、「(蔦屋)重三郎が発した一言、『絵師なんて、いくらでもいる』という言葉は歌麿にも当然響いていて、常に新しい人が出てくる危機感というものがあったのだと思うんです。ぬるい気持ちで絵を描くのではなく、自分がヒットを生み出したいという思いも当然あると思うし、『このままじゃヤバい』という危機感のもとスイッチが入って、『見てろよ』と火がついた感じになればいいな、と思って演じました」と、絵師としてのプライドを胸に秘めながら演じたことを明かしている。

 「HOKUSAI」は、世界中に影響を与えている葛飾北斎が、抑圧に負けずに“表現の自由”を求めて自分の道を貫く姿を描く。北斎の青年期を柳楽優弥が、老年期を田中泯が演じている。北斎に目をつける蔦屋重三郎を阿部寛が、柳亭種彦を永山瑛太が、歌麿を玉木宏が、北斎の妻・コトを瀧本美織が、高井鴻山を青木崇高が演じる。

”歌麿”玉木宏「おめえの描く女には色気がねえ」 ”北斎”柳楽優弥をぶった切る 「HOKUSAI」映像

【作品情報】
HOKUSAI
2021年5月28日公開
配給:S・D・P
©2020 HOKUSAI MOVIE

  • 作品

HOKUSAI

公開年 2020年
製作国 日本
監督  橋本一
出演  柳楽優弥、田中泯、永山瑛太、阿部寛、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高
作品一覧