麻薬カルテルが台頭するコロンビア 公衆衛生専門医の波乱に満ちた人生 「あなたと過ごした日に」公開決定

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麻薬カルテルが台頭するコロンビア 公衆衛生専門医の波乱に満ちた人生 「あなたと過ごした日に」公開決定

 コロンビアの著名な公衆衛生専門家であるエクトル・アバド・ゴメス博士を描いた映画「あなたと過ごした日に」が、7月20日より劇場公開されることが決まった。

 エクトル・アバド・ゴメス博士は、1987年に亡くなった公衆衛生専門家で、人権擁護家としても知られる人物。政治家、民主主義者、ジャーナリスト、作家、エッセイスト、大学教授でもあるアバド・ゴメスは、自らを社会学者および人類学者とも称していた。青年期から、特に低所得者層コミュニティーでの教育、予防医学、プライマリヘルスケアを専門とし、医師および大学教授としては、高等教育の革新者でもあった。また、経済的な資源が飲料水に使われるよう戦い、新聞や雑誌にさまざまなテーマについて多数の記事を書いた。

 「あなたと過ごした日に」は、1970年代の麻薬カルテルが台頭するコロンビアのメデジンを舞台に、エクトル・アバド・ゴメス博士の姿を息子の視点で描いた作品。父と同じ名を持つエクトルは、5姉妹に囲まれた唯一の男子として深い愛情を注がれて育つ。そんな中、姉妹の一人が恐ろしい病魔に冒される。それをきっかけに、悲しみと怒りに突き動かされたアバド・ゴメス博士は、政治活動にのめり込んでいく。分断されたメデジンの社会では、テロが多発し、自由を信奉する博士の声を封じようと準軍事組織の動きが加速していく。そんな状況のなか、家族の心配をよそに、アバド・ゴメス博士はメデジン市長選への出馬を決意する。

 作家である息子エクトル・アバド・ファシオリンセの回想録を原作に、「ベルエポック」「チコとリタ」などのフェルナンド・トルエバが監督。音楽は、クシシュトフ・キェシロフスキ監督「ふたりのベロニカ」「トリコロール」三部作などで知られる、ポーランドの作曲家ズビグニエフ・プレイスネルが務めている。エクトル・アバド・ゴメス博士を演じるのは、ペドロ・アルモドバル作品「トーク・トゥー・ハー」などのハビエル・カマラ。父を慕う少年時代の息子役を新鋭のニコラス・レジェス・カノ、青年時代の息子役を「MEMORIA  メモリア」のフアン・パブロ・ウレゴが演じる。

【作品情報】
あなたと過ごした日に
2022年7月20日(水) より東京都写真美術館ホールほか全国順次公開
配給:2ミーターテインメント(2MT)
© Dago García Producciones S.A.S. 2020

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