「太陽がいっぱい」「キャロル」「アメリカの友人」などで知られるアメリカの作家パトリシア・ハイスミスの、知られざる素顔に迫るドキュメンタリー「パトリシア・ハイスミスに恋して」が、2023年11月3日より劇場公開されることが決まった。
欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る、サスペンス・ミステリー作家のパトリシア・ハイスミス。トルーマン・カポーティに才能を認められ、「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」「アメリカの友人」「キャロル」などの映画史に残る数々の作品の原作者としても知られる。中でも偽名で発表した「キャロル」は自伝的小説で、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。そんな栄光を手にしながらもハイスミス自身は、女性たちとの恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。
「パトリシア・ハイスミスに恋して」は、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、家族による証言、そしてアルフレッド・ヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜながら、ハイスミスの謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。「アル中女の肖像」の主演・衣装で知られるタベア・ブルーメンシャインや、作家のマリジェーン・ミーカーなど、ハイスミスの元恋人たちによる貴重なインタビューは、当時のレズビアンカルチャーを知る貴重な証言となっている。
ハイスミスの生誕100周年である2021年に刊行された、彼女の恋愛生活を赤裸々に綴った日記を基に監督・脚本を務めたのは、スイスのドキュメンタリー監督・脚本家であるエヴァ・ヴィティヤ。「未発表の日記を読み始めるうちに、彼女自身に恋をしてしまった」と語っている。「ゲーム・オブ・スローンズ」「ウェンズデー」で知られるグウェンドリン・クリスティーがナレーションを務めている。
【作品情報】
パトリシア・ハイスミスに恋して
2023年11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
配給: ミモザフィルムズ
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