「氷点」などで知られる三浦綾子さんが十勝岳噴火を描いた小説「泥流地帯」が映画化されることが明らかになった。地域創生支援を行う株式会社Zipangが、小説の舞台となった北海道・上富良野町と連携協定を結んだことを発表した。2022年の公開を目指す。
上富良野町では、「泥流地帯」の初の映像化を目標に、地元有志による『「泥流地帯」映画化を進める会』が設立され、官民を挙げてロケ支援や映画化に向けた機運を醸成する活動が進められていた。このたび、実写化と劇場公開のため、上富良野町が企業版ふるさと納税の活用などによる制作費やロケの協力などの支援を行い、映画製作をロケツーリズムなどの地方創生に生かしていくことでことで合意した。
富良野町の向山富夫町長は、「郷土に寄せる熱い想いのもと『泥流地帯』の映画化は私たちにとって半世紀に渡る悲願であり、立派に復興をけん引された当時の吉田村長のごとく、どんな困難も乗り越え、成し遂げたいと思います。」とコメントしている。
「泥流地帯」は、大正15(1926)年の十勝岳大噴火によって一瞬にして家族を失った兄弟が、泥流に埋まってしまった苦労して切り開いた田畑にもう一度稲の実らせるため再びくわを手にするという内容で、復興に挑む若者たちの青春を描いている。