1975年 アイスランドの女性たちが仕事や家事を一斉に休んだ日 「女性の休日」本編映像

映画スクエア

 2025年10月25日より劇場公開される、アイスランドがジェンダー平等先進国となる大きなきっかけとなった、知られざる運命の1日を振り返るドキュメンタリー映画「女性の休日」から、本編映像の一部が公開された。

 公開されたのは、1975年10月24日の「女性の休日」当日の様子を収めたアーカイブ映像。この日、レイキャビクの広場には、アイスランドの当時の人口21万人の10%以上にあたる25,000人の女性たちが集まった。キッチンや水産工場を抜けてきた女性たち、政治的でも左派でもない女性たち、女性の権利について初めて考えた女性たち。年齢も職業も立場も越えて、あらゆる女性たちが参加した。参加者の一人だった女性は、「革命だった」と振り返る。

 本編で使用されている当日を記録したアーカイブ映像は、アイスランド国営放送局RUVに残っていた15分間のモノクロ映像に加えて、ある民間人が記録した10分間のカラー映像が使用されている。彼はデモに魅了され、一日中人ごみの中を歩き回っていたそうで、歴史的なデモが繰り広げられるなか、クローズアップでさまざまな感情が表れた女性たちの表情を捉えている。また、本作の制作過程で、エンドクレジットソングを提供したビョークも、10歳のときに「女性の休日」に参加していたことが判明。おそらくは社会活動家だった母親の影響で参加したものと考えられ、本編中では、フルートを握りしめながらステージを降りていく一瞬の姿が写り込んでいる。

 「女性の休日」は、1975年10月24日。アイスランド全女性の90パーセントが、仕事や家事を一斉に休むという、前代未聞のムーブメント「女性の休日」を描いたドキュメンタリー。その後、アイスランドは1980年に世界初の民主的選挙による女性大統領が誕生し、15年連続でジェンダーギャップ指数1位を維持している。監督は、アイスランドを旅行中に偶然ガイドブックで「女性の休日」を発見し、90パーセントの女性が同時に行動したという驚きの事実にインスパイアされたパメラ・ホーガン。ユーモアあふれる当事者たちの証言とアーカイブ映像、カラフルなアニメーションで描いている。

1975年 アイスランドの女性たちが仕事や家事を一斉に休んだ日 「女性の休日」本編映像

 本作を一足先に鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。

■坂口涼太郎(俳優)
「休日」がなかった女性たちのユーモアと聡明さが社会を変えた。
ホットドッグも作れない男性たちは女性たちが休んでやっと気づいた、「俺たち楽ちんに生きすぎている!」と。ものすごく長い間、男性が考えた男性主体の社会構造だったのだから、女性をはじめ、今まで「休日」がなかった人たちの願いや要望をまだまだ速攻で叶えていかなだめですね。
日本もアイスランドに続こうや!

■岨手由貴子(映画監督)
女性というだけでは一枚岩になれない。
子供がいる私は連休のたびに「また祝日?!」と発狂するが、学校や保育園の先生たちは休日を楽しんでいるだろう。もしくは別の雑事に追われているか……。
休日に休むのは難しい。それは 1975 年も同じだった。
それでも呉越同舟で「休む」という態度をとった女性たちがとても楽しそうで、なんか元気が出た。

■武田砂鉄(ライター)
社会はこうして変わる。
道を塞いでいるのは誰か。ものすごくハッキリ見える 。

■夏木マリ
“休日”という名で
女性たちが動いた 1975 年のアイスランド。
「結婚したけど、自分自身でいたかった」――そんな思いが時代を動かした日をあなたは目撃する!

■ブレイディみかこ(作家・コラムニスト)
今年出版された『SISTER ”FOOT” EMPATHY』で書いたアイスランドのウィメンズ・ストライキのドキュメンタリーが、日 本でいま公開されるなんてなんという偶然だろう……。「あの日の出来事」には、散らばった点と点をつなぎ、見知らぬ人と人を出会わせて、大きなうねりをつくりだす不思議な力が宿っている気がする。
シスターフッドはどこにでも転がっているが、広げていくのは生やさしいもんじゃない。それでも、やるんだ、のスピリット で本当にやっちゃった彼女たちの胆力が、時空を超えた引力となって私たちを引き寄せ続ける。

1975年 アイスランドの女性たちが仕事や家事を一斉に休んだ日 「女性の休日」本編映像

【作品情報】
女性の休日
2025年10月25日(土)より、シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
配給:kinologue
© 2024 Other Noises and Krumma Films.

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