永瀬正敏 浅野忠信 佐藤浩市 ベルリン映画祭での様子を収めたダイジェスト映像公開 「箱男」

映画スクエア

 永瀬正敏 浅野忠信 佐藤浩市が出演する、安部公房の同名小説を石井岳龍監督の手によって映像化した映画「箱男」から、第74回ベルリン国際映画祭での監督・キャスト陣の様子を収めたダイジェスト映像と、箱男が都市をのぞくシーンの本編映像が公開された。

 ダイジェスト映像では、ベルリン国際映画祭でのレッドカーペットやワールドプレミア後の様子、翌日に行われた記者会見の模様が収められている。本編映像は、線路沿いの道に散らばったゴミの中で倒れている段ボールが、いきなり立ち上がるシーンから始まる。「蔑まれるのはお前たち。こっちは何でもお見通し」というナレーションとともに、段ボールに開けられた小窓から都市を一方的に眺める“箱男”の姿が描かれている。

 「箱男」は、ダンボールを頭からすっぽりとかぶり、都市を徘徊(はいかい)し、のぞき窓から一方的に世界をのぞき、ひたすら妄想をノートに記述する”箱男”を描いた作品。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、街で偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、”箱男”としての一歩を踏み出す。しかし、“わたし”をつけ狙い”箱男”の存在を乗っ取ろうとするニセ医者(浅野忠信)、「箱男」を完全犯罪に利用しようとたくらむ軍医(佐藤浩市)、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)など、数々の試練な襲いかかる。

 安部公房が1973年に発表した小説「箱男」は、「人間が自己の存在証明を放棄した先にあるものとは何か?」をテーマとした作品で、ヨーロッパやハリウッドの著名映画監督が原作権の取得を試みたが、許諾が下りなかった。そんな中、最終的に安部公房本人から直接映画化を託された石井岳龍によって、1997年に製作が決定するも、撮影は突如頓挫した。それから27年後の安部公房生誕100周年となる2024年、当初の予定と同じく永瀬正敏と佐藤浩市に加え、浅野忠信や白本彩奈らが出演する本作が完成した。

永瀬正敏 浅野忠信 佐藤浩市 ベルリン映画祭での様子を収めたダイジェスト映像公開 「箱男」

永瀬正敏 浅野忠信 佐藤浩市 ベルリン映画祭での様子を収めたダイジェスト映像公開 「箱男」

【作品情報】
箱男
2024年全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024 The Box Man Film Partners

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