先端だけ見える鉛筆 雨音はガラスが割れる音に 自閉症者の世界表現 記録映画「僕が跳びはねる理由」予告

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 自閉症の作家・東田直樹が13歳の時に執筆した「自閉症の僕が跳びはねる理由」を原作としたドキュメンタリー映画「僕が跳びはねる理由」の、予告編が公開となった。

 予告編は、原作者による東田直樹による、「言いたいことが言えない生活を想像出来ますか?」という問いかけの言葉から始まる。そして、東田の言葉とともに、“逆さまに見える廃墟”“先端だけ見える鉛筆”“ガラスが細かく割れるように聞こえる雨の音”“ランダムに現れる子供時代と大人時代の記憶”といった、自閉症者の世界や時間軸をそのまま表現した映像が映し出される。その後、さまざまな個性を持つ自閉症者の姿が切り取られ、「少しだけ僕の言葉に耳を傾けて、僕らの世界を旅して欲しい」と、東田の想いが語られる。

 予告編のナレーションを担当しているのは、「鬼滅の刃」の時透無一郎役などで知られる声優の河西健吾。河西は、「とても素敵な予告編です。ぜひ皆さんにご覧頂けたらと思います!」とコメントを寄せている。

 東田直樹の原作「自閉症の僕が跳びはねる理由」は、会話のできない障害を抱える東田が、自閉症者の内面の感情や思考、記憶を分かりやすい言葉で伝えた内容が注目を集めた。その後、自身も自閉症の息子を持つ、イギリスのベストセラー作家デイヴィッド・ミッチェルと妻のケイコ・ヨシダが、対応に困り果てていた我が子の行動に対する疑問の答えをこの原作に見つけ、英訳を担当。英訳版が、本作にも出演しているジョスの両親で、本作のプロデューサーを務めるジェレミー・ディアとスティーヴィー・リーの目にとまったことで、映画「僕が跳びはねる理由」が誕生した。

 映画「僕が跳びはねる理由」では、「自閉症と呼ばれる彼らの世界が“普通”と言われる人たちと、どのように異なって映っているのか?」を、世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿や家族たちの証言を通して明らかにしていく。さらに、「自閉症者の内面がその行動にどのような影響を与えるか」を、映像表現や音響効果を駆使し、彼らが見て・感じている世界を疑似体験しているかのように体感できる内容となっている。

先端だけ見える鉛筆 雨音はガラスが割れる音に 自閉症者の世界表現 記録映画「僕が跳びはねる理由」予告

僕が跳びはねる理由
2021年4月2日(金)角川シネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国順次公開
配給:KADOKAWA
©2020 The Reason I Jump Limited, Vulcan Productions, Inc., The British Film Institute

  • 作品

僕が跳びはねる理由

公開年 2020年
製作国 イギリス
監督  ジェリー・ロスウェル
出演  
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