2026年1月9日より劇場公開される、ジェシカ・ラングが主演し、キャシー・ベイツ、ピアース・ブロスナンが共演する映画「喝采」から、言葉を失ってしまう病に侵されたリリアン(ジェシカ・ラング)による、キャリア最期の舞台シーンの本編映像が公開された。
戯曲「桜の園」の公演当日に舞台に挑むリリアン。キャシー・ベイツ演じるイーディス、リリー・レーブ演じる娘マーガレットなど、仲間や家族たちが見守る緊迫の中、リリアンは圧巻の演技を披露する。そして、大勢の観客の拍手や歓声が巻き起こり、会場全体が熱気に包まれていく。リリアンの生きざまが演技に昇華されたような、映像となっている。
「喝采」は、ブロードウェイの伝説的な女優マリアン・セルデスをモデルにした、生きる悦びを伝える人生賛歌。ブロードウェイの第一線で活躍してきた大女優リリアン・ホールは、チェーホフの戯曲「桜の園」の公演を間近に控えていた。ところが稽古中に突然言葉を失うアクシデントに見舞われた彼女は、医師から認知症を患っていると告げられてしまう。それは引退勧告に等しいあまりにも残酷な現実だった。人生のすべてを舞台にささげてきたリリアンは、病気の事実を胸の奥底に押しとどめ、「桜の園」をやり遂げる決意をする。しかし病状は悪化の一途をたどり、現実と妄想の境目さえも曖昧になっていく。
リリアンを演じるのは、「トッツィー」でアカデミー賞助演女優賞、「ブルースカイ」で主演女優賞を受賞し、エミー賞3回、トニー賞1回の受賞歴を誇るジェシカ・ラング。監督は「ナイト・ウォッチャー」のマイケル・クリストファーが務め、チェーホフの名作戯曲「桜の園」を劇中劇として映像化。主人公の実人生を交錯させたただならぬ迫真性と真実味がみなぎる映像世界を生み出している。アシスタントのイーディスを演じるのは「ミザリー」などのキャシー・ベイツ。「007」シリーズの5代目ジェームズ・ボンドを務めたピアース・ブロスナンが、リリアンの隣人である元芸術家のタイ役を務め、渋く小粋なユーモアを添えている。

本作を一足先に鑑賞した、著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。
■いのうえひでのり(演出家・劇団☆新感線主宰)
とにかくジェシカ・ラングが凄い!女優としてのプライド、病気への恐怖、亡夫への哀切、娘・家族への複雑な思い・孤独感、あらゆる情感が、繊細かつ絶妙に差し迫る。本当に惹き込まれます!!んー。すごかった。
■井上芳雄(ミュージカル俳優)
知ってはいたつもりだけど、悲しいほどに人生と芝居は地続きだった。
舞台に立つことを生業とする自分には刺さりすぎて痛いくらいだったが、それが優れた物語が持つ力なのだと思う。
それでも喝采を求めて、明日も舞台へ向かってしまう。
■鎌田實(医師・作家)
人生はサイゴのサイゴが大事。
どう生きたらいいか。
この美しい映画には、1つの別解が示されている。
感動、感動!
見終わったあと久々に、涙を拭いながら拍手をした。
■草刈民代(俳優)
まさに、「演ずる」人生を生き抜いてきたジェシカ・ラングと、ブロードウェイの伝説と謳われたマリアン・セルデス。
二人の存在が重なり合う、劇中の『桜の園』が素晴らしい。
老いることへの不安を正面から描いているはずなのに、そこにこそ「生きる」という純粋な意思の美しさと、老いてこそ放たれる神々しい輝きがあった。
■小島秀夫(ゲームクリエイター)
小学生の時に観た映画「キングコング(1976)」。何よりも印象的だったのは、”新人”のジェシカ・ラングだった。あの若く、あどけなかった彼女が認知症を患った老女優を演じ切る。彼女の深みのある演技も老獪な表情も素晴らしい。誰もが老いる。誰もが死ぬ。だからこそ僕は、彼女の事は決して忘れない。「キングコング」で恋し、「郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981)」では、ドキドキさせられた、ジェシカ・ラングという俳優を。そして、その“喝采”を浴びて歩んで来た女優人生を。
■竹田ダニエル(ジャーナリスト・研究者)
舞台の幕が上がるとき、リリアンは観客に向かって踏み出す。失敗は許されない。それでも、大女優としての責務を、そしてプライドを全うしたい。その挑戦は賭けであり、存在の証明でもある。
記憶が薄れても拍手が止んでも、「あの瞬間、自分は確かにここにいた」と言えるような時間を私たちはどれだけ持てるのだろうか。最後まで、自分にとって「大切」だと思えるものを、守り抜けるのだろうか。
【作品情報】
喝采
2026年1月9日(金)よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国公開
配給:彩プロ
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