チェン・ユーシュン監督が監督を務めた、消えたバレンタインデーをめぐるラブストーリー「1秒先の彼女」が、6月25日から劇場公開される。劇場公開を記念し、ユーシュン監督が1990年代に監督した初期2作品「熱帯魚」「ラブ ゴーゴー」が、アップリンク吉祥寺とアップリンク京都で上映されることが決まった。
1995年公開の「熱帯魚」は、受験戦争にまったくなじめない夢見がちな台北の少年と、そんな少年をなりゆきで誘拐してしまった、一風変わった超田舎の一家を描く。台北では誘拐報道が加熱する一方で、少年は連れ去られた南部の漁村で白日夢のような不思議な時間を過ごし、やがて謎めいた少女と遭遇する。
1997年公開の「ラブ ゴーゴー」は、ケーキ職人をしているさえないアラサー男子のアシェン、アシェンのアパートに同居する食欲旺盛な”おデブちゃん”のリリー。アシェンが小学生の時の初恋の相手リーホア、セールスにまったく向かない内気な痴漢撃退グッズセールスマンのアソンたちを描いた作品。個性的なキャストたちが、絡みあった3つの恋模様を見せる。
1990年代台湾映画界において、エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンらとは一線を画す台湾新世代の異端児と言われたチェン・ユーシュン監督。みずみずしい青春模様を描いた「熱帯魚」「ラブ ゴーゴー」で若者を中心に多くの共感を得るものの、しばらく映画製作から距離を置き、16年後にようやく映画製作に復帰した。「1秒先の彼女」は、そんなユーシュン監督が20年前から温めていた脚本をもとに撮りあげ、第57回金馬奨(台湾アカデミー賞)で最多となる5冠(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞)に輝いた。
■劇場情報
【東京】アップリンク吉祥寺
6月11日(金)~6月24日(木) ※2 週間限定・日替わり上映
【京都】アップリンク京都
7月2日(金)~7月8日(木) ※1週間限定・日替わり上映