サム・ライミがシリーズをぶっ壊す? 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』レビュー

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サム・ライミがシリーズをぶっ壊す? 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』レビュー

はじめに

 お疲れ様です。茶一郎です。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(以下『MoM』)皆さんご覧になりましたでしょうか。いやとんでもない映画でしたね。マーベル・シネマティック・ユニバース=MCUというシリーズの枠組みを明らかに越えた、純度100%のサム・ライミ監督の新作。3Dで飛び出すサム・ライミ。サム・ライミDXパック。サム・ライミベスト盤。故に好き嫌いも大きく分かれるでしょう。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、タイトルに偽りなしの狂ったMCU初のホラーコメディ、いやMCU初の「サム・ライミ映画」でした。

あらすじ

 元天才神経外科医であり魔術師(ソーサラー)のドクター・ストレンジは、ある日、怪物に襲われていた少女アメリカ・チャベスを救出します。このアメリカ・チャベスは無限のパラレルワールド、多元宇宙「マルチバース」を移動する能力を持っておりました。なぜチャベスは怪物に追われているのか、その謎を探るべくドクター・ストレンジとチャベスとの、「マルチバース」の冒険が始まる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』です。

どんな映画?

 MCUというシリーズは、アメコミ映画・ヒーロー映画というジャンルではありますが、映画一作品一作品が明確に特定の映画ジャンルをベースにして、ヒーローの物語を語ってきました。最近の『シャン・チー』はカンフー武侠映画とか、『エターナルズ』はSF「古代宇宙飛行士説」。特定のジャンル、テーマを軸にすることで、シリーズの、ジャンルのバリエーションを広げて、また世界観も広げてきた訳です。

 今回の『MoM』。どうやら公開前から製作陣、出演俳優の皆様の証言を聞くと「MCU初のホラー映画だ」と。ドクター・ストレンジの単独作品、前作2016年の『ドクター・ストレンジ』の監督は、まさしくホラー出身のスコット・デリクソンでした。ホラー映画と言うとちょっと違いますが、奇怪な映像だったり、ホラー映画的な演出もあった前作。「MCU初のホラー映画」。なるほど前作からの順当なジャンルの強化・進化かな?と。

 スコット・デリクソンから今回、監督を受け継いだのがレジェンド、サム・ライミでした。これもMCUの特徴で、初期の作品以外は大作を一度も撮ったことがない若手~中堅の監督を抜擢することが多かった訳です。そんな中、今や62歳巨匠サム・ライミ監督の起用です。MCU、プロデューサー=ケヴィン・ファイギ大丈夫か?作品をコントロールできるの?……全然、大丈夫じゃなかったと言うのが『MoM』でした。

 全編、サム・ライミ過去作のほとんどセルフオマージュのようなシークエンス。サム・ライミお得意のホラーとコメディの境界線上ギリギリを行くハイテンションなホラー。悪趣味な描写の数々。「MCU初のホラー映画」というより、もはや「サム・ライミ」というジャンルですね。「MCU初のサム・ライミ映画」な『MoM』です。サム・ライミの個人的な小規模の映画ではなく、推定製作費2億ドルの映画です。感覚として昨年ジェームズ・ガンが好き放題やった『ザ・スーサイド・スクワッド~』と似ているかもしれません。故にMCUよりサム・ライミの作品にどれくらい思い入れがあるかで、かなり評価が分かれるという印象です。

 そもそもサム・ライミ監督自身、6本しかMCUの作品ご覧になっていないみたいで、確かにMCUへの思い入れが薄いことは何となく映画を見ていると分かります。ジャンル「サム・ライミ」なシーンと、一方ドラマ『ワンダヴィジョン』から繋がる部分、今後のシリーズに繋がるキャラクターの関係性を深掘る会話シーン、MCUお決まりのサプライズと、この演出テンションの落差が明確にフィルムに刻まれています。この辺り、シリーズ見ていた自分としては複雑な所もあるんですが、もう一周回ってこのいびつさも僕は面白いなという「MCU初のサム・ライミ映画」『マルチバース・オブ・マッドネス』です。

サム・ライミ度高めなシーン

 具体的にどこが「サム・ライミなのか?」。予告編で観測できるのは、序盤のニューヨークでの戦闘シーンですね。触手を持った怪獣、権利の都合上映画では名前が変わって「ガルガントス」となっています。このガルガントスに追われているチャベスをストレンジとウォンが救うというアクションシーンなんですが、まずこのアクションシーン非常に優れています。空間が把握しやすく、編集テンポもよく、コミカルさもあって、ウォンの武侠と魔術の合体アクションもグッド。ここだけで鑑賞料金の元が取れるアクションシーンなんですが、これはもう『スパイダーマン』『スパイダーマン2』のほぼセルフリメイクですね。

 『スパイダーマン』のグリーンゴブリンがタイムズスクエアを襲う名シーン。及び『スパイダーマン2』のドックオクとのビルの壁面でのバトル。よく考えたらガルガントスもドックオクもタコ、触手、アームと。高低差のあるバトルフィールドで上から落ちてくるMJ。今回はチャベスを救う。とっても「スパイダーマン」的なアクションシーンが序盤に配置されている。映画始まってすぐにサム・ライミの映画じゃんと前のめりになる訳です。

 しかもここでちゃんと眼球、視神経を出すんですよ。『スペル』のセルフオマージュですね。悪趣味ですね。悪趣味といえば、この『MoM』には妙に長い嘔吐シーンがあったり、沢山人がお亡くなりになるんですが、その灰になっている死体をじっくり映したり、明らかにMCUシリーズを飛び越えたサム・ライミ感が、悪趣味が作品を覆っています。

 序盤以降のホラーシーンの数々は、あるキャラクターが『死霊のはらわた』シリーズの悪霊に取り憑かれたように、ストレンジたちを襲う。禁断の書物を巡る展開も『死霊のはらわた』です。ある魔術のシーンでは、悪霊の視点で人に憑依する側の悪霊POVでホラーを見せるのも、これまた『死霊のはらわた』リメイクかと。その悪霊キャラクターがストレンジたちを『シャイニング』的、狭い通路で足をひきづりながら追う様子も印象的です。

 前回の動画でも、サム・ライミ作品は、ホラー映画に限らず悲鳴が多いと申し上げました。新キャラクターのアメリカ・チャベスも、恐怖を感じるとマルチバースの扉が開くという。こんなにホラー映画に特化した設定があるのかという具合に、完全にホラー映画における「スクリーム・クイーン」、悲鳴・白目担当として機能しています。一々、描写の味付けが濃い、過剰というサム・ライミ的悪趣味さが前面に出ている。極めつけはもう直接的に『死霊のはらわたⅡ』オマージュネタも出てきます。

↓↓前回の動画↓↓ 

 監督自ら、自分の作品のネタを映画の中に直接入れ込むなんて、MCU作品では今まで無いです。本当にMCUとしては奇妙な『MoM』。これも前回の動画と重なってしまいますが、サム・ライミ監督といえばカメラワーク。「シェイキーカム」を筆頭に、映画それ自体が走っているようなカメラワークもトレードマークです。これもたくさん出てきます。まずオープニングからカメラがz軸方向に爆走して始まるフライング サム・ライミスタートですが、例えばドアが閉まる瞬間に一々、カメラがグッとz軸、ドアに寄るカメラワークとか、『死霊のはらわた』っぽい、ケレン味のある、味が濃い撮影。編集やシーンの切り替えも、ちょっと昨今のMCU作品にない、2000年くらいの大作感のある古臭い、一周回って換気された新しい風が、MCUフェーズ4に入り込んでいます。

 キャラクター以外は何から何までMCU的ではない見た目、映像というのが印象的です。カメラワーク/編集的には先ほどのカメラ爆走もそうです、3D映像映えする、ジェットコースターのようなライド感のある3D体験ができますので、3Dの上映方式が個人的にオススメです。

監督サム・ライミvs製作ケヴィン・ファイギ

 以上が表面的なサム・ライミ感なのですが、当然、MCUの一作品である本作『MoM』のクレジットは“A Sam Raimi Movie”ではなく“A Kevin Feige Production”です。『ザ・スーサイド・スクワッド~』と異なるのは、映画全体でサム・ライミ感とMCU感、ケヴィン・ファイギがぶつかり合っている点だと思います。

 Twitterでは、「監督サム・ライミと製作ケヴィン・ファイギの相撲」と表現しました、はっけよーい、のこった、のこった。この相撲に勝つのは最終的にサム・ライミ監督ですが、サム・ライミ感とMCU的要素が奇妙に混ざり合っている映画でもあります。「サム・ライミさん、これだけはどうか映画に入れてくれませんか」と、非常に淡白に描かれるサプライズ。カメラの動きが急に止まる冷めた会話シーン。役者さんの演技・存在感により違和感は最小限になっていましたが、その演出テンションの違いは明確でした。

 一番、製作ケヴィン・ファイギの涙ぐましいコントロールを感じたのはホラー演出。『MoM』には、数え間違いでなければジャンプスケアが8回あります。ジャンプスケアというのは、急に大きな音をワッと出して観客を驚かせるアレです。好き嫌いの大きく分かれるビックリ演出です。この合計8回のジャンプスケアの内の4回、特に映画序盤はそのジャンプスケアのビックリ音が不自然なまでに小さい、抑えられているという。優しいジャンプスケア音。これには笑いました。「サム・ライミさんジャンプスケアやっても良いですけど、観に来るのはホラーファンだけじゃないですから、音だけは小さくしてください」と、この製作と監督のせめぎ合いも感じさせる奇妙な『MoM』です。

 ハイテンションホラー以外を支えた見事な脚本は、ドラマ『ロキ』のクリエイター=マイケル・ウォルドロンによるものです。インタビュー見ましたら、前作の監督スコット・デリクソンが降板した後、3ヶ月で書いたみたいです。よくぞ短期間でまとめたというこのマイケル・ウォルドロン。彼はルッソ兄弟と同じくダン・ハーモン門下生で、アニメ「リック・アンド・モーティ」シーズン4のプロデューサーとして知られています。ドラマ『ロキ』もそうでしたが、やはり多元宇宙「マルチバース」でのバディのアドベンチャーというのは、アニメ「リック・アンド・モーティ」から来ているように見えます。

 「リック・アンド・モーティ」は、マッドサイエンティストとその孫の少年が主役のSFコメディです。『MoM』では自己中心的な中年の魔術師と14歳の少女チャベスとのバディに置き換わっています。チャベスを演じたソーチー・ゴメスさんの魅力も効いて、この2人の微笑ましい魅力的な関係性が作品を底上げしている印象です。そして決して「マルチバース」が単なるギミック、仕掛けに終わっていないというのも「リック・アンド・モーティ」的であり、ドラマ『ロキ』的、マイケル・ウォルドロン脚本的です。本作の「マルチバース」は、「可能世界」という言葉通り、自分の人生の可能性、その理想と「夢」そのものであると。ストレンジそして裏の主人公スカーレット・ウィッチ=ワンダが、自分自身と起こり得る理想の自分自身と向き合う物語に大きく機能していました。

 サム・ライミのハイテンションのインパクトが強くて、演出のバランス的に霞んでしまってはいるんですが、ちゃんとサム・ライミ作品とだけではなくて2人の物語としても見れるというのはポイント高いです。僕は『ドクター・ストレンジ2』として、ストレンジ2作目の成長物語としてちゃんと泣きました。個人的にはサム・ライミ感をお祭りとして楽しみながら、ストレンジのことがもっと好きになる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でした。

ネタバレなしまとめ

 ネタバレなしでまとめます。好きか嫌いかは置いておいて、サム・ライミDXパック、サム・ライミベスト盤というのはもう間違いないでしょう。ここまで作家性が飛び出るとは。直近だと『エターナルズ』がクロエ・ジャオ監督の色が濃い映画でしたが、本作ほどセルフリメイク的要素、セルフオマージュを入れるほどには濃くなかったという点で、MCU史上最も監督の色が飛び出た、それこそ(監督の)サインが3Dで飛び出た奇妙な映画『MoM』だと思います。MCU初のハイテンションホラーコメディ、MCU初の「サム・ライミ」映画ということで、この際、MCUご覧になっていない方もサム・ライミ監督作、ホラー映画お好きな方は必見です。

 一方で多元宇宙「マルチバース」という設定を2人の主人公の深掘りに機能する形で採用している、ドラマ『ロキ』から続くマイケル・ウォルドロン脚本による「マルチバース」自分探し二部作としても、サム・ライミ色にかなり押されていますが印象的です。『ワンダヴィジョン2』としてはやや不満がありますが、『ドクター・ストレンジ2』としてはしっかりと納得できる続編でした。

 ここからは『ドクター・ストレンジ2』としての『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を、具体的には申し上げませんが、中盤以降の展開にも触れるということで「ネタバレあり」でまとめます。ここからは絶対に本編ご鑑賞後にご視聴ください。

!!以下は本編ご鑑賞後にお読みください!!

自分と向き合うストレンジの物語

 “のこった、のこった”で、サム・ライミが景気良くケヴィン・ファイギを押し出したのは、まさしくサプライズ要素周りの描写でした。予告であれだけ期待させておいた「イルミナティ」、サプライズキャラクターをただの「殺し方大喜利」で処理する、シリーズファンに冷や水をぶっかける展開にはもう一周回って拍手です。ドラマ『インヒューマンズ』ファンの方は、本気で怒って良いと思います。本当に悪趣味な『MoM』でした。

 お話それました。インフィニティ・サーガ後のストレンジの物語としての『MoM』、凄く納得しました。本作における2人の主人公ストレンジとワンダの対比。ワンダが自身の心の傷によって一般人に被害を与えてしまったのは、ドラマ『ワンダヴィジョン』で描かれたことですが、同様にストレンジも冒頭からそれと対比して語られると。クリスティーンの結婚式で元同僚のニックから『~インフィニティ・ウォー』でサノスにタイムストーンを渡したこと、結果間接的にザ・デシメーション「指パッチンの5年間」を生んだことを責められていると。「本当にこの方法しかなかったのか?」。“only way”というのは本作のストレンジのマルチバース、可能世界の物語に重要なキーワードでした。

 前作2016年の『ドクター・ストレンジ』のストレンジの物語は、傲慢な物質主義的な男が、魂の、精神の領域に世界があることを知り、自分以外の人生に自らの命を捧げる自己犠牲のヒーローになる物語でした。監督スコット・デリクソンがBlu-rayのコメンタリーで言っている表現が本当に好きでたまに思い返します。「専門技術と金と名声以外何もない男が、自分よりもっと偉大なものに人生を捧げる、その尊さに気付く物語」と。ちょっと意訳しましたが。『MoM』は他者に向き合った前作の一方、自分に向き合う続編でした。

 「今、幸せなのか?」「今の世界で満足しているのか?」。クリスティーンに自分でしか「メスを握らない男」と指摘された、自分しか信じない自己中心的な男が、「メスを握る自分」とその可能性と向き合う。「そのメスを握っている自分は本当に正しいのか?」「タイムストーンを渡した自分は本当に正しかったのか?」。それと向き合う。“本当にその“only way”は、自分のuniverseは正しかったのか?“と。他のuniverseと向き合う物語として、「マルチバース」の世界観が機能しています。

 そしてその自分と向き合う旅の末、他人にメスを渡すことの尊さに気付く物語だと。自身の亡き妹と重なる存在、バディであるアメリカ・チャベスにメスを握らせる。チャベスの力を吸収して自分のものにするのではなく、力を発揮するように促すと。最高に美しいウインク。他者にメスを渡すことを覚え、自分の心の弱さ、愛を認める。マルチバースより複雑な自分の心と向き合うストレンジの物語は、非常に強い感動を生みます。

 他人に愛され愛すことの恐怖と向き合う美しい瞬間、サム・ライミの演出はほぼ役者に依存して淡白ですが、演じたベネディクト・カンバーバッチの圧倒的な演技により高い純度の感動が刻まれています。偶然にも今年ベネディクト・カンバーバッチがアカデミー主演男優賞にノミネートされた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でのベネカンも、有害な男性性に縛られ、自分の心の弱さと向き合えなかった男を演じました。

 同年にアカデミーを競った『ドライブ・マイ・カー』も、やはり自分の心と向き合えない有害な男性性に囚われた主人公を描きました。『ドライブ・マイ・カー』においてその主人公がずっと自分で運転してきた車のハンドルを他人に託す様子は、とっても偶然ですが、本作においてストレンジが「メス」をアメリカ・チャベスを渡す様子と重なります。同時代的にこれらの作品群はリンクしています。

 結果主義、成功と強さに囚われた者が自らの心の弱さを認め、主導権を、ハンドルを、メスを他者に託すことで精神的に解放されるべき時代です。「幸せなのか?」「このuniverseで良かったのか?」「本当にこの方法しかなかったのか?」。ストレンジとワンダが他にあり得た他の自分を通して、今のuniverseと向き合う物語としての『MoM』でした。

 正直、ドラマ『ワンダヴィジョン』が結構好きでワンダに感情移入していた身としては、さすがに酷な幕引きだなと。そもそも本作の悪役設定自体、ドラマ『ワンダヴィジョン』から前に進めていない感じがして、ちょっと納得まだできていないんですが、ただ『ドクター・ストレンジ2』としてのこの物語には泣きました。お見事だったと思います。

さいごに

 前作の監督の降板と偶然と時代のねじれから生まれた奇妙なMCU作品『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』。MCU初の「サム・ライミ映画」であり、サム・ライミと製作ケヴィン・ファイギが相撲をして、エンドクレジットの“A Kevin Feige Production”という表記が虚しく刻まれています。毎回こうだと困るけど、たまにはこんな狂った映画も良いのかなという『MoM』。僕は歪さが作品として好きな作品でした。ということで今週の新作は『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でございました。さようなら。

【作品情報】
ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス
公開中
© 2022 MARVEL


サム・ライミがシリーズをぶっ壊す? 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』レビュー

茶一郎
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