齊藤工監督 「ゾッキ」は”ヘンタイ”映画 森優作からも”変態”扱い

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齊藤工監督 「ゾッキ」は”ヘンタイ”映画 森優作からも”変態”扱い

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 竹中直人・山田孝之・齊藤工の3人が映画監督として共同制作した映画「ゾッキ」(劇場公開中)の公開記念舞台挨拶が2日に都内で開催され、出演者の森優作、松井玲奈、松田龍平と、竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督が登壇した。

 友達にウソを重ねて秘密を抱えてしまう高校生・牧田役の森は「齊藤監督の作品に関わらせてもらうこと自体がうれしかったけれど、台本を読んで“これを自分が!?”という驚きと恐怖がありました。齊藤監督は変態だな!と思いました」と驚いたことを明かすと、当の齊藤監督は「原作の大橋裕之臭のする俳優は森さんしかいない」と全幅の信頼を寄せ、できばえに自信をのぞかせた。

 幽霊のような女役の松井は「原作の絵を見た時は驚いたけれど、こんなに面白い役は二度とできないと思いました」と個性的な役柄に前のめりに取り組んだ姿を見せた。竹中監督は時間のかかる特殊メイクにも耐えた松井に「圧倒的なたたずまいでした!」と太鼓判を押していた。アテがないとうアテを頼りに自転車で旅に出る男・藤村役を演じた松田は、山田からの直々のオファーを振り返り、「メールの熱量がすごくて、だんだんと怖くなった。最後の方には電話もかかって来て…。その熱量に対して応えられるのかどうか、ドキドキしました」と裏事情を告白。山田は「キャスティングについては龍平君一本釣りで、代案は用意しませんでした。それだけに熱いアプローチをかけました」と、念願叶ったキャスティング秘話を笑顔で披露した。

 さらに、齊藤監督は「この作品は変異体質の映画、略して“ヘンタイ”です。大ヒットではなく、時間をかけて中ヒットを狙いたい。同時公開の作品もあるので、映画館を盛り上げるべく一枚岩の中心に『ゾッキ』がいてくれたら」と息の長いヒットを期待する姿を見せた。山田監督は「何度も視点を変えて見ることのできる映画ですので、ほかの映画を見たらまた『ゾッキ』を繰り返し見てほしい。そして原作もぜひ読んで」と、原作も含めて映画をアピール。竹中監督は「2015年に原作に出会い、こうして映画として公開される日がくるなんて、まるで夢を見ているよう。サントラもぜひ聴いてほしい」とCharaが初めて手掛けた映画音楽についても触れながら、感慨を口にしていた。

 「ゾッキ」は、大橋裕之の初期作集「ゾッキA」「ゾッキB」を原作に、ありふれた日常に巻き起こる不思議な笑いに包まれたヒューマンコメディ。舞台演出家・劇作家の倉持裕が、およそ30編の短編が収録された原作から多数のエピソードを1つの物語としてまとめ上げた。大橋の生まれ故郷である愛知県蒲郡市でロケ撮影されている。

【作品情報】
ゾッキ
2021年4月2日(金)全国公開
3月26日(金)愛知県先行公開 ※一部劇場除く
配給:イオンエンターテイメント
©️ 2020「ゾッキ」製作委員会

  • 作品

ゾッキ

公開年 2021年
製作国 日本
監督  竹中直人、山田孝之、齊藤工
出演  吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、南沙良、安藤政信、ピエール瀧、森優作
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