イスラム国から高額の身代金要求 苦悩する家族 デンマーク政府の非常な通告 「ある人質」本編映像

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イスラム国から高額の身代金要求 苦悩する家族 デンマーク政府の非常な通告 「ある人質」本編映像

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 IS(イスラム国)の人質となったデンマーク人写真家ダニエル・リューの実話を映画化した「ある人質 生還までの398日」の公開を前に、IS(イスラム国)に拘束された息子ダニエルを救出しようする家族の苦悩を描いた本編映像が公開となった。

 誘拐犯から要求された身代金は70万ドル(7千万円以上)。デンマーク政府外務省の担当者や人質救出の専門家アートゥアを前に、要求額の3分の1しか用意できないことを告げる父。アートゥアは、少なく提示することで相手が侮辱されていると感じる危険性から、満額を用意できるまで待つことを勧める。ダニエルの姉は「非公式に政府が貸してくれませんか」と頼むが、政府の担当者から「残念ですが無理です」と言われてしまう。その言葉を聞いた姉は、「こんなのバカげている!」と声を荒げる。

 家族、人質救出の専門家、デンマーク政府関係者の立場と考え方が交錯し、ダニエルを諦めたくない家族の苦悩が垣間見えるシーンとなっている。主人公ダニエルと同じデンマーク出身のニールス・アルデン・オプレヴ監督は、「テロリストとの交渉に反対の意を示すという独断的な考えは、他に選択肢のない家族を助けることにはならず、ひとりひとりに大きな影響を及ぼす」と指摘している。

 「ある人質 生還までの398日」は、2013年から2014年にかけてISの人質となったダニエル・リューが、拷問や飢えに苦しみ、恐怖と不安にさいなまれる地獄の日々を耐え抜いた姿を描いた作品。ダニエルを救出するために奔走する家族の姿も描かれている。ジャーナリストのプク・ダムスゴーが書き上げた「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」を原作とし、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレヴと出演もしているアナス・W・ベアテルセンが共同で監督している。デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)では、ダニエルを演じたエスベン・スメドが主演男優賞を受賞したほか、助演女優賞、観客賞、脚色賞を受賞した。

ある人質 生還までの398日
2021年2月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町にて公開
配給:ハピネット 配給協力:ギグリーボックス
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