震災が女性に落とした影 被災から12年 家族を失った女性の”今”を描く 「海鳴りがきこえる」予告

映画スクエア

 2023年10月28日より劇場公開される、岩崎孝正監督「海鳴りがきこえる」の、予告編が公開された。

 予告編では、東北の被災地出身の主人公・理子奈(中村守里)が胸に抱える影を描き出している。理子奈が夢でうなされる瓦礫(がれき)の街並みは、岩崎孝正監督が被災地となった故郷を撮影した当時の映像を使用。震災で家族が離散した過去の悲しみを抱える理子奈、すれ違う夫との確執、疎遠となった故郷の母親への怒りとわだかまりが映し出され、震災から12年にわたり、被災地とそこで暮らす家族の写真を撮り続けていた元写真家の理子奈が、自分の居場所を探し求める姿が収められている。また、指出瑞貴、川瀬陽太、木村知貴らが演じる人々の姿も見られる。

 「海鳴りがきこえる」は、震災ですべてを失った元写真家の理子奈を描いた作品。愛息の大地の子育てに追われる毎日を過ごしている理子奈。東北の被災地出身の彼女には、震災で家族が離散した過去があった。そのためか、自分の理想的な家族を作ることに執着している理子奈だが、夫の知久とぶつかり、噛み合わない日々が続いている。そんな折、父親のように慕って師事していた写真家の浩志が、緊迫した情勢のベラルーシに難民取材に行くと連絡が入る。父親を失うような気持ちでいる最中、知久が浮気をしていることを知る理子奈。苦悩のなかで、本当に自分がすべきことは何かと自問しながら、やがて彼女は東北の被災地へ車を走らせていく。

 監督は、初の長編劇映画となる岩崎孝正。福島県相馬市出身の岩崎は、東日本大震災以降、故郷の映像を撮り始め、2015年にはドキュメンタリー「自然と兆候/4つの詩から」を完成。以降も災害や公害についての短編作品を送り出してきた。主演、理子奈役を演じたのは、「アルプススタンドのはしの方」などの中村守里。夫・知久役は、映画やドラマに出演する内村遥が務めている。

震災が女性に落とした影 被災から12年 家族を失った女性の”今”を描く 「海鳴りがきこえる」予告

【作品情報】
海鳴りがきこえる
2023年10月28日(土)より新宿 K’s cinema にて公開 以降全国順次
配給:ブライトホース・フィルム株式会社
© 2023 TIMEFLIES Inc.

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