ブータンの長老とアメリカ人の銃コレクター 浮き彫りになる価値観の違い 「お坊さまと鉄砲」本編映像

映画スクエア

 2024年12月13日より劇場公開される、第96回アカデミー賞国際長編映画賞のブータン代表作品でショートリストに選出された映画「お坊さまと鉄砲」から、アメリカからやってきた銃コレクターのロンが“幻の銃”を所有する村の長老と交渉するシーンの、本編映像の一部が公開された。

 公開されたのは、7万5千ドルもの大金を払って銃を買い取ろうとするロンに対し、長老は「なんとまあ……多すぎる」というまさかのリアクションを見せるシーン。予想もしなかった反応に戸惑うロンの様子が笑いを誘うと同時に、お金に対する考えの違いが浮き彫りとなるシーンとなっている。

 ドルジ監督は本作について、「ブータン人の無垢な部分は、重要な価値であり本作のテーマでもあります。残念なことに、近代的で教育水準の高い国へと変化するにつれ、私たちのこの美しい価値は失われ、捨て去られつつあります。現代人には“無垢”と“無知”の違いを区別できないのでしょう」と語っている。

 「お坊さまと鉄砲」の舞台は、国民に愛された国王の退位により、民主化へと転換を図ることになった2006年のブータン。選挙の実施を目指して模擬選挙が行われることになり、周囲を山に囲まれたウラの村でこのことを聞いた高僧は、なぜか若い僧に銃を手に入れるよう指示する。時を同じくして、アメリカから“幻の銃”を探しにアンティークの銃コレクターがやって来て、村全体を巻き込んで思いがけない騒動が持ち上がる。「ブータン 山の教室」で長編映画監督デビュー作を果たしたパオ・チョニン・ドルジが監督を務める。

ブータンの長老とアメリカ人の銃コレクター 浮き彫りになる価値観の違い 「お坊さまと鉄砲」本編映像

ブータンの長老とアメリカ人の銃コレクター 浮き彫りになる価値観の違い 「お坊さまと鉄砲」本編映像

【作品情報】
お坊さまと鉄砲
2024年12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋 ほか全国順次ロードショー
配給:ザジフィルムズ、マクザム
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