2023年4月14日より劇場公開される、2021年カンヌ国際映画祭のある視点部門に正式出品された映画「マネーボーイズ」から、本編映像の一部が公開された。
公開されたのは、田舎の家族を支えるため男娼として生きるフェイを頼って都会へと出てきたフェイの幼なじみであるロンが、自分も体を売って金を稼ぎたいと言い出し、男娼への一歩を踏み出す瞬間が捉えられている。フェイに頼みこみ男娼たちの元締めの事務所を訪れたロンは、仲間の男娼たちを前に「おまえたちにできるなら、俺にもできる」と意気込み、彼らにあおられて下半身までさらけ出す。その後、フェイと二人でバーを訪れたロンは、仕事を得た安心感からかおどけて踊っている。都会での過酷な生活の中、愛を探しながら生きる若者たちの姿が切り取られている。
「マネーボーイズ」は、田舎の両親に仕送りを続けるため男娼として生きたフェイと、その恋人の葛藤を描いた作品。フェイは恋人のシャオレイと同棲しながら、体を売って田舎の両親に仕送りしていた。ある日、フェイが暴行された顧客をたたきのめしたシャオレイ。しかし、その男の部下たちがシャオレイに襲い掛かり、フェイはシャオレイを見捨てて逃げ出してしまう。5年後、フェイは男娼として違う都市で羽ぶり良く暮らしていた。そこへ幼なじみのロンが自分も体を売って稼ぎたいとフェイの元に転がりこんでくる。そんなある日フェイは、シャオレイと偶然にも再会する。
中国の田舎出身の若者を描きながら、その若者たちを待ち受ける経済的・社会的な葛藤、そして彼らの存在を否定する保守的な共同体の二面性という、世界中のどこでも起こりうる普遍的な人間関係を映像美で描き出している。
監督は、中国で幼少期を過ごし、オーストリアへ移住後にウィーン・フィムル・アカデミーにてミヒャエル・ハネケに師事した C.B. Yi（シー・ビー・イー）。本作が長編デビュー作となる。2021年カンヌ映画祭ある視点部門に上映され、台湾の金馬奨最優秀新人監督賞、最優秀主演男優賞にもノミネートされた。主役のフェイを演じたのは「あの頃君を追いかけた」のクー・チェンドン、シャオレイ役をドラマ「お仕事です！～The Arc of Life～」のリン・ジェーシーが務めている。また、「3人の夫」のクロエ・マーヤンが、1人3役で出演している。
【作品情報】
マネーボーイズ
2023年4月14日（金）よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開
配給：ハーク
© KGP Filmproduktion, Zorba, ARTE France Cinéma,Flash Forward Entertainment, La Compagnier Cinematographique＆Panache Productions 2021
