2024年9月6日より劇場公開される、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された、キリル・セレブレンニコフ監督の日本公開最新作「チャイコフスキーの妻」の、予告編が公開された。
予告編は、19世紀後半のロシアを舞台に、地方貴族の娘アントニーナが、天才作曲家ピョートル・チャイコフスキーに一目ぼれをするシーンから幕を開ける。彼女の熱烈な求愛に根負けしたかのようにチャイコフスキーは結婚を受け入れるが、結婚生活は悲惨そのもので、わずか数週間で破綻(はたん)してしまう。女性への愛情を抱いたことがないチャイコフスキーと、夫に盲目的な愛をささげるアントニーナの間には、いかなるいさかいがあったのか。アントニーナは、世間一般で語られるように、偉大な才能の持ち主である夫にまったく見合わない“世紀の悪妻”だったのか。現実と妄想のはざまでもがき苦しみ、歴史の陰に埋もれたアントニーナの実像を描き出している。
クラシカルな衣装や荘厳な美術、そしてチャイコフスキーの名曲「白鳥の湖」にのせて、アントニーナが筋骨隆々の裸の男性たちと戯れる刺激的なシーンも切り取られている。
「チャイコフスキーの妻」は、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」などの天才作曲家ピョートル・チャイコフスキーを盲目的に愛した“世紀の悪妻”アントニーナの、知られざる実像に迫った伝記映画。かねてから同性愛者だといううわさが絶えなかったチャイコフスキーは、恋文で熱烈求愛する地方貴族の娘アントニーナと、世間体から結婚する。しかし女性への愛情を抱いたことがないチャイコフスキーの結婚生活はすぐに破綻し、夫から拒絶されるアントニーナは、孤独な日々の中で狂気の淵へと堕ちていく。
女性の権利が著しく制限されていた19世紀後半の帝政ロシアを背景に、チャイコフスキーが同性愛者だったという、ロシアではタブー視されてきた事実を明確に描き、夫婦間の知られざる真実に迫る作品となっている。歴史上まれに見る悪妻という汚名を着せられたアントニーナの実像を、史実に従いながら大胆な解釈を織り交ぜて描いたのは、「LETO -レト-」「インフル病みのペトロフ家」のキリル・セレブレンニコフ。
【作品情報】
チャイコフスキーの妻
2024年9月6日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
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