スタンリー・キューブリック 完璧主義の巨匠 全作品紹介 名作・傑作ぞろい!

映画スクエア

 監督だけでなく、脚本、撮影、編集、製作など、作品の重要な要素を自らコントロールして仕上げる作風で知られる映画界の巨匠キューブリック。商業的というよりも、芸術的なスタンスに重きを置くスタイルで、「映像作家」として紹介されることもあります。1カットの詳細な部分にまでこだわる完璧主義的な部分に加え、新しい撮影技術の採用にも意欲的で、のちの映画界へ与えた影響は計り知れません。そんなキューブリックの監督した映画を全作品紹介します。※一部参加だけの作品などは除いています。

 1928年生まれ、アメリカのニューヨーク出身。開業医である父から13歳のときにカメラをもらい、16歳で撮影した写真が雑誌「ルック」に掲載され、以降見習いを経て雑誌社のカメラマンになります。23歳のときに自主製作の短編ドキュメンタリーで監督デビュー。この作品が売却できたことで自信を深め、退社して映画監督への道を歩み始めます。

 1953年に初の長編映画、「恐怖と欲望」を製作。1955年にハリス=キューブリック・プロダクションズを設立。徐々にハリウッドで監督としての評価を高めていきますが、代役を頼まれた「スパルタカス」(1960)でプロデューサー主導の製作体制に失望。イギリスに居を移し、監督以外の制作部分にも自分の意向を反映する「完璧主義」ともいわれるスタイルで作品を発表していくようになります。「2001年宇宙の旅」、「時計じかけのオレンジ」などの代表作が作られたのもこの時期です。世界的な名声を手に入れた後も、「シャイニング」(1980)、「フルメタル・ジャケット」(1987)などの名作を発表。公開直前に亡くなり、遺作となった「アイズ ワイド シャット」(1999)に至るまで映画を撮り続けました。友人のスティーヴン・スピルバーグによる監督作品「A.I.」も、キューブリックの企画によるものです。

拳闘試合の日

 キューブリックが雑誌社に勤めていた時代に監督した、モノクロ短編作品です。試合を迎えるボクサーのドキュメンタリー映画で、試合前の生活や計量、直前の控室、そして試合が終わるまでを記録しています。

 ジェームズとの試合を明日に控えた前日計量の朝。プロボクサーであるウォルター・カルティエはベッドで目覚めます。明日の試合にむけて、リラックスしながら準備を整えていくのでした。

 主演のウォルター・カルティエは、キューブリックが製作した写真集「プロボクサー」のモデルでもあります。

空飛ぶ牧師

 キューブリックが雑誌社を辞めた後に監督した、モノクロの短編映画。小型飛行機を自ら操縦して教区を飛びまわる、牧師の活動的な日常を撮影したドキュメンタリーです。空撮シーンも多く取り入れられています。

 ニューメキシコ州。フレッド・スタットミュラー牧師は、小型のプロペラ飛行機で牧場に降り立ちます。出迎えるのは2人のカウボーイ。多くの人たちに惜しまれつつ、しめやかな葬儀が始まります。

恐怖と欲望

 キューブリックが監督した初の劇場映画です。ドキュメンタリーではなく、戦争の狂気を描いた物語で、キューブリックが自ら伯父に出資を依頼して製作した低予算のモノクロ映画でした。批評家には好評でしたが、後に監督本人が「アマチュアの仕事」だったとしてポジフィルムを買い占め、封印した幻の作品といわれています。

 敵地の森に墜落した飛行機。助かった4人の兵士はイカダを作り、川を下って脱出する計画を立てますが、対岸に敵のアジトを発見して、仲間内で意見が分かれます。近くで暮らす女性にも姿を見られてしまい、拘束することにしますが……。

 2011年にアメリカのケーブルテレビで放映され、日本でも2013年に劇場で公開されました。

海の旅人たち

 キューブリックが監督した映画の中では、初のカラー作品。約30分の短編で、北アメリカ国際船員労働組合の魅力をPRするためのものでした。映画というよりも紹介VTRのような要素が強く、キューブリックは撮影も担当しますが、手がけた要素は少ないようです。

 画面に向けて語りかけるナレーター。船舶、食堂、会議、そしてレジャーに興じるシーンが流れ、充実した暮らしを送る船員たちの豊かな生活が描かれていきます。

 アメリカの放送局、CBSのニュースキャスターであったドン・ホレンベックがナレーションを務めています。

非情の罠

 監督、脚本、製作、撮影、編集と、5つの役割をキューブリックが務めた作品で、商業映画としてはこれがデビュー作とされています。この時期のハリウッドでは、大都市の裏側にある社会や犯罪などを描いたダークな作品が多く作られ、のちに「フィルム・ノワール」というジャンルで定着しました。この作品もその一つとされています。「ノワール」はフランス語で「黒」という意味です。

 ニューヨーク。ボクサーのデイヴィーは、向かいのアパートに住むダンサーのグロリアへ好意を寄せます。しかし、彼女はダンスホールの支配人であるギャング、ラパロの情婦。デイヴィーは命を狙われてしまうのでした。

 1960年に日本で公開されたときは、44分に短縮されていました。元々は67分の作品で、JSB(後のWOWOW)が1993年に全編を放映しました。

現金に体を張れ ★おすすめ!

 小説家ライオネル・ホワイトの「完全なる消散」を、迫力あるサスペンスアクションとして映画化した作品。若きキューブリックが監督した、初のハリウッド映画でもあります。出演するキャストも、それまでに比べて経験豊富な俳優陣になり、ストーリー、心理描写、演出など、映画としての完成度が高まった作品として知られています。

 刑務所から出所したばかりのジョニーは、競馬の売上金を強奪するためにさっそく仲間を集めます。計画は順調に進むのですが、仲間であるジョージの妻がこの計画を盗み聞きして、よからぬことを企みます。

 主演のスターリング・ヘイドンは、キューブリックの「博士の異常な愛情」や、コッポラの「ゴッド・ファーザー」などにも出演した名優です。

  • 作品

現金に体を張れ

公開年 1956年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ、ヴィンス・エドワーズ、テッド・デ・コルシア

突撃 ★おすすめ!

 1935年に発表された反戦小説、ハンフリー・コップの「栄光への小径」を映画化した作品。商業的な成功が難しい内容でしたが、当時すでにスター俳優であったカーク・ダグラスのプロダクションへキューブリックが脚本を持ちかけたことにより実現され、タッグを組んで製作されました。撮影に何度もリテイクを重ねた、完璧主義のキューブリックらしいエピソードも残されています。

 第一次世界大戦のなか、フランス軍はドイツ軍を撃退するために「アリ塚」と呼ばれる要所を攻略するよう、七〇一歩兵連隊に指令を下します。無謀な作戦ゆえに失敗した彼らに待ち受けていたのは、理不尽な軍法会議でした。

 キューブリックが製作途中に脚本を変更しようとしたことで、カーク・ダグラスとの間に微妙な軋轢が生まれたとも言われています。また、ラストシーンで歌を歌うクリスティアーヌ・ハーランは、後にキューブリックと結婚しました。

  • 作品
  • 8.14

突撃

公開年 1957年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  カーク・ダグラス、ラルフ・ミーカー、アドルフ・マンジュウ、ウェイン・モリス

スパルタカス ★おすすめ!

 カーク・ダグラスが主演と製作総指揮を務めた映画で、原作はハワード・ファスト「スパルタクスの反乱」です。ハリウッドで全盛だった歴史大作の一つで、ローマ帝国時代の奴隷解放をテーマにしています。資本元であるカーク・ダグラスの主導により、当初監督であったアンソニー・マンは降板させられ、キューブリックがその代役を務めました。脚本や内容の改変も多く、自らの手で作品をコントロールできないキューブリックは、この作品を機に拠点をイギリスに移すことになりました。

 ローマ帝国の鉱山で働く奴隷のスパルタカスは、剣闘士としての素質を見出されて養成所へ連れて行かれます。将軍クラサスの要望により、親友のドラバと望まぬ真剣試合をさせられ、好意を寄せるヴァリニアを連れて行かれてしまったスパルタカスは、反乱ののろしを上げたのでした。

 4部門でアカデミー賞を受賞し、大統領のジョン・F・ケネディが観賞するなど、大ヒットしてキューブリックのキャリアを押し上げた作品ですが、キューブリック自身は「雇われた」だけとして、生涯自分の作品と認めませんでした。

  • 作品

スパルタカス

公開年 1960年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  カーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、チャールズ・ロートン

ロリータ ★おすすめ!

 少女に対する性愛を描いたことで、世界中で論争を巻き起こしたベストセラー、ウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」をキューブリックが映画化した作品です。イギリスへ移り住み、製作の権限を握った体制で映画づくりを始めたキューブリックは、撮影監督や音楽の担当など、スタッフとの衝突を繰り返しながら、表現の細部まで自らの思いを込めた作品に仕上げていきました。脚本を手がけたのはナボコフ本人でしたが、長すぎたためにキューブリックが書き直しています。

 アメリカの大学で講義をするためにパリからやってきたハンバートは、下宿先の娘であるドロレス(愛称ロリータ)に一目惚れをします。未亡人であった母のシャーロットに好意を寄せられ、ハンバートはロリータのそばにいるために結婚を決意するのでした。

 アカデミー賞の脚色賞にノミネートされました。検閲や規制を避けるため、ロリータの年齢を上げるなど、原作との違いも多く見受けられます。1997年にもエイドリアン・ライン監督によりリメイクされています。

  • 作品

ロリータ

公開年 1962年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ジェームズ・メイソン、スー・リオン、シェリー・ウィンタース、ピーター・セラーズ

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか ★おすすめ!

 偶然の出来事をきっかけに核戦争が起こり、世界が滅亡するというブラック・ユーモアに満ちた近未来SF作品。双方が核兵器を保有する東西冷戦下の人間社会の不条理を鋭く風刺した、キューブリック監督の代表作のひとつです。

 精神に異常をきたしたアメリカ空軍基地司令官のリッパー准将。彼はソ連への核攻撃を指示し、基地に立てこもります。リッパー准将の副官であるマンドレイク英空軍大佐はなんとか事態を収拾しようと試みますが……。

 アカデミー賞では受賞は逃しましたが、作品賞、監督賞など4部門にノミネートされました。また、1989年から開始された、後世に残すべき作品を選定する「アメリカ国立フィルム登録簿」の最初の25作品のひとつに選ばれるなど、批評性、芸術性の高い作品として評価されています。

 イギリスのコメディアンであるピーター・セラーズが主人公のストレンジラヴ博士、マンドレイク大佐、マフリー大統領の一人三役を演じています。

  • 作品

博士の異常な愛情

公開年 1964年
製作国 イギリス
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン

2001年宇宙の旅 ★おすすめ!

 それまでB級扱いされていたSFというジャンルを高みへと引き上げた、世界の映画史に燦然と輝くSF作品の金字塔です。監督であるキューブリックは、SF作家で科学解説者でもあるアーサー・C・クラークと共に、科学的考証に基づいた緻密なストーリーを練り上げました。しかし、キューブリックはクラークが用意した解説用のナレーションを採用せず、新たに考案した特殊撮影効果を使った映像、クラシックによる壮大な音楽的演出など、より体感できる魅力を前面に押し出すことを選択。それにより説明的ではない、謎に満ちた神秘的な世界を描き出すことに成功しました。回転するセット内での撮影、合成画面を作るためのモーションコントロールカメラなど、撮影方法でも後の映画界に多大な影響を与えています。人工知能の「HAL9000」が登場してからの、サスペンス的な展開も見どころです。

 400万年前の地球。朝目覚めた猿人は、突如現れた謎の板(通称モノリス)に触れたことで進化が促され、骨を道具として使うことに気づきます。そして時は移り変わり、人類が宇宙へ進出した時代。フロイド博士は、異変が起きたと噂される、月のクラビウス基地へ向かいます。そこで発見されていたのは、意図的に埋められたと思われる謎の物体、モノリスでした。

 アカデミー賞の特殊視覚効果賞を受賞しました。映画史に残るSF映画、「猿の惑星」と同年に公開されています。

 アメリカが月面着陸を成功させたのは、映画が公開された翌年の1969年でした。クラークによる同名の小説は、キューブリックの脚本と同時進行で製作されたものです。製作50周年の2018年には、クリストファー・ノーラン監修によるフィルム上映がありました。

  • 作品

2001年宇宙の旅

公開年 1968年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター

時計じかけのオレンジ ★おすすめ!

 近未来に生きる少年の社会に反発する姿を描きながら、自由放任主義と徹底的に管理する全体主義のジレンマを風刺したSF映画の名作です。原作はイギリスの作家アンソニー・バージェスの同名小説。雑音を少なくするドルビーノイズリダクションシステムを使ってステレオ録音されたはじめての映画でもあります。

 舞台は徹底的に管理された未来のロンドン。15歳の少年アレックスは、日々に退屈し、仲間とともに暴力、強姦、殺人など非道の限りを尽くしていました。あるとき、仲間の裏切りにより警察に逮捕されたアレックスは、国家の役人から、出所を早めるかわりにある実験の被験者にならないかと提案されます。

 暴力の表現が賛否両論だったものの、アメリカでは興行成績2,600万ドルのヒットとなりました。ベネチア国際映画祭のパシネッティ賞やニューヨーク批評家協会賞の作品賞と監督賞を受賞したほか、アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞の4部門にノミネートされました。

 監督のスタンリー・キューブリックは、暴力や殺人といった暗いテーマの物語を、ポップでスタイリッシュな作品に仕上げました。社会的影響も少なくなく、実際に少年が起こした殺人事件でこの作品との関係性が指摘され、多くの脅迫を受けたキューブリックがイギリスでの上映中止を要請するという事態も起こりました。

  • 作品

時計じかけのオレンジ

公開年 1971年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、マイケル・ベイツ

バリー・リンドン ★おすすめ!

 1844年に出版されたウィリアム・メイクピース・サッカレーの小説を映画化。18世紀半ば、アイルランドの貧しい家庭に生まれた青年が英国貴族となったのち、没落していくまでの人生を描いた歴史映画の大作です。2部構成で、3時間を超える長編作品に仕上がっています。「ある愛の詩」で人気俳優となったライアン・オニールが主演を務めています。

 アイルランドの農家に生まれたレドモンド・バリーはあることから警察に追われ、村を出ます。その後、イギリス軍に志願し大陸に渡って戦争を経験しますが軍を脱走。ギャンブラーのシュバリエと出会い、コンビを組んでヨーロッパの社交界で荒稼ぎをします。

 アカデミー賞では撮影賞、衣装デザイン賞など4部門で受賞。綿密な時代考証に基づいて、美術や衣装の細部にまでこだわって製作されました。18世紀当時の雰囲気をリアルに再現するため、NASA用に製造された大口径のレンズを入手し、ロウソクの光のもとで撮影が行われました。

  • 作品

バリー・リンドン

公開年 1975年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ライアン・オニール、マリサ・ベレンスン、ゲイ・ハミルトン、レオナルド・ロッシーター

シャイニング ★おすすめ!

 スティーヴン・キング原作のホラー小説をもとにキューブリックが脚色し映画化。冬季閉鎖中のホテルを舞台に、次第に狂気に取り憑かれていく管理人とその一家の恐怖を、独特の映像美で描き出しています。撮影には当時まだ新しかったステディカムを導入。カメラの振動やブレを抑えたスムーズな移動映像が作品のなかで効果的に使われています。

 作家志望のジャック・トランスは冬の間、雪で閉鎖されるリゾートホテルの管理人の職を得ました。このホテルは前の管理人が家族を斧で惨殺したという、いわく付きの物件でした。ジャックは妻のウェンディーと息子ダニーの3人でホテルに滞在することにしますが……。

 アメリカでは興行収入が4,400万ドルを超え、1980年公開作の14位となりました。賞には絡まなかったものの、映画は興行的に成功を収め、キューブリックの代表作のひとつとして知られるようになります。

 ジャック・ニコルソンの狂気を孕んだ演技が話題となりました。見るものの脳裏に焼きつくような印象的なシーンが多く、古典ホラーの傑作として様々な作品のなかでオマージュが捧げられています。

  • 作品

シャイニング

公開年 1980年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル

フルメタル・ジャケット ★おすすめ!

 ベトナム戦争における訓練の激しさや戦地での過酷さが描かれた戦争映画です。原作は小説家グスタフ・ハスフォードの「ショート・タイマーズ」。スタンリー・キューブリックにとって「シャイニング」以来7年ぶりの監督作品となりました。

 ベトナム戦争時、海兵隊の訓練所で、鬼軍曹ハートマンの理不尽なしごきに耐えたジョーカーは、戦地で報道隊員の任務につきます。同期のカウボーイが所属する部隊に同行することになったジョーカーでしたが、ベトナム狙撃兵から激しい銃撃を受け、戦争の無慈悲さを目の当たりにすることになります。

 アカデミー賞では脚色賞にノミネートされたほか、ゴールデン・グローブ賞ではハートマン軍曹を演じたR・リー・アーメイが助演男優賞にノミネートされました。当初、演技のアドバイザーとして参加していたR・リー・アーメイでしたが、指導での迫力を気に入ったスタンリー・キューブリックが彼をハートマン役に抜擢しました。またスペインから200本のヤシの木をロンドンに空輸して撮影するといった、完璧なクオリティを求めるキューブリックらしい逸話も残っています。

  • 作品

フルメタル・ジャケット

公開年 1987年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  マシュー・モディーン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アーリス・ハワード

アイズ ワイド シャット ★おすすめ!

 19世紀末に活躍したオーストリアの文豪アルトゥル・シュニッツラーの「夢小説」をもとに製作された官能ドラマ。監督のスタンリー・キューブリックが作品完成後に急死したため、彼の遺作となりました。また当時実生活で夫婦だったトム・クルーズとニコール・キッドマンが夫婦役を演じるのも話題でした。

 ニューヨークの開業医ウィリアムは、妻のアリスから自分とは別の男性に浮気心を抱いた経験があると思いがけない告白をされます。妻が他の男性と肉体関係をもつという性の妄想に取り憑かれるウィリアム。やがて彼は、友人から秘密の乱交パーティーの誘いを受けるのですが……。

 アメリカでの興行収入は伸び悩んだものの、キューブリックの遺作ということもあり世界的にはヒットとなりました。日本でも配給収入が17億5,000万円に達し、1999年のランキング6位となりました。映画賞では、ゴールデン・グローブ賞でジョスリン・プークが音楽賞にノミネートされました。

 スタンリー・キューブリックが1970年代から映画化を希望していた作品です。キャストの交代などもあったため、撮影は400日以上にも及び、撮影期間が世界最長の映画としてギネスにも認定されました。

  • 作品

アイズ ワイド シャット

公開年 1999年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、マリー・リチャードソン、トッド・フィールド
  • 作品

現金に体を張れ

公開年 1956年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ、ヴィンス・エドワーズ、テッド・デ・コルシア
  • 作品
  • 8.14

突撃

公開年 1957年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  カーク・ダグラス、ラルフ・ミーカー、アドルフ・マンジュウ、ウェイン・モリス
  • 作品

スパルタカス

公開年 1960年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  カーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、チャールズ・ロートン
  • 作品

ロリータ

公開年 1962年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ジェームズ・メイソン、スー・リオン、シェリー・ウィンタース、ピーター・セラーズ
  • 作品

博士の異常な愛情

公開年 1964年
製作国 イギリス
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン
  • 作品

2001年宇宙の旅

公開年 1968年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター
  • 作品

時計じかけのオレンジ

公開年 1971年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、マイケル・ベイツ
  • 作品

バリー・リンドン

公開年 1975年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ライアン・オニール、マリサ・ベレンスン、ゲイ・ハミルトン、レオナルド・ロッシーター
  • 作品

シャイニング

公開年 1980年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル
  • 作品

フルメタル・ジャケット

公開年 1987年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  マシュー・モディーン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アーリス・ハワード
  • 作品

アイズ ワイド シャット

公開年 1999年
製作国 イギリス、アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、マリー・リチャードソン、トッド・フィールド
作品一覧