激動の20世紀 アルプスに生きた名もなき男の愛と幸福に満ちた一生 「ある一生」公開決定

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激動の20世紀 アルプスに生きた名もなき男の愛と幸福に満ちた一生 「ある一生」公開決定

 世界40言語で翻訳され、160万部以上の発行部数を記録するベストセラーを映画化した映画「ある一生」が、2024年7月12日より劇場公開されることが決まった。

 「ある一生」は、アルプスに生きた名もなき男の愛と幸福に満ちた一生を描いた作品。1900年頃のオーストリア・アルプス。孤児の少年アンドレアス・エッガーは、遠い親戚の農場にやってきた。しかし、農場主にとって、孤児は安価な働き手に過ぎず、虐げられた彼にとっての心の支えは老婆のアーンルだけだった。彼女が亡くなると、成長したエッガーは農場を出て、日雇い労働者として生計を立てる。

 その後、渓谷に電気と観光客をもたらすロープウェーの建設作業員になると、最愛の人マリーと出会い、山奥の木造小屋で充実した結婚生活を送り始める。しかし、幸せな時間は長くは続かない。第二次世界大戦が勃発し、戦地に召集されたエッガーはソ連軍の捕虜となり、何年もたってようやく谷に戻ることができた。そして、時代は過ぎ、観光客であふれた渓谷で人生の終わりを迎えたエッガーの中で過去の出来事がフラッシュバックし、生涯をともにしたアルプスの光景を眼前に立ち尽くす。

 ブッカー賞最終候補にもなった原作は、ローベルト・ゼーターラーの同名小説。原作に忠実かつ美しい情景とともに映像化した本作は、激動の20世紀の中で、80年にわたって暴力、戦争、貧困に耐えなければならなかったアンドレアス・エッガーの孤独な苦難の人生を捉えられている。しかし、そんな名もなき男の人生の中にも幸福な瞬間と大きな愛があり、エッガーは自分の人生を受け入れ、無骨に生き抜いていくことが描かれる。監督は、「ヒランクル」「アンネ・フランクの日記」のハンス・シュタインビッヒラー。

激動の20世紀 アルプスに生きた名もなき男の愛と幸福に満ちた一生 「ある一生」公開決定

【作品情報】
ある一生
2024年7月12日(金)、新宿武蔵野館ほか全国順次公開   
配給:アット エンタテインメント
©2023 EPO Film Wien/ TOBIS Filmproduktion München

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