巨大な臓器のようなベッドで眠るアーティスト 「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」本編映像

映画スクエア

 2023年8月18日より劇場公開される、デヴィッド・クローネンバーグ監督最新作「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」から、冒頭の本編映像の一部が公開された。

 映像は、生き物のように動く不気味な”オーキッド・ベッド“で眠るアーティストのソール(ヴィゴ・モーテンセン)の姿を映し出したもの。ベッドに揺さぶられながらつらそうに眠りから目覚めるソール。もともとは体の痛みを和らげるために、自動的に体勢を変えてくれるハイテクなベッドだった”オーキッド・ベッド”だが、今はその機能の調子が悪いことが描き出されている。

 本作ではクローネンバーグ監督の構想を表現した装置が多く登場する。その中でも印象的な”オーキッド・ベッド“について、プロダクションデザイナーのキャロル・スピアは、「ベッドはもともと2年前にクモの巣ベッドとしてスタートしたもので、そのデザインに取り組んでいるときに、デヴィッドから電話がかかってきて、他に登場する装置がとても有機的に見えるから、ベッドももっと有機的にしたほうがいいんじゃないかと言われました。それでベッドはより有機的なイメージで、巨大な臓器のようなデザインになりました」と、デザイン変更の過程を明かしている。

 「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」は、「人類の進化についての黙想」をテーマとした作品。そう遠くない未来。人工的な環境に適応するよう進化し続けた人類は、生物学的構造の変容を遂げ、痛みの感覚も消えた。“加速進化症候群”のアーティストであるソールは、体内に生み出す新たな臓器を、パートナーのカプリースがタトゥーを施し摘出するショーによって、人気を集めていた。しかし政府は、”人類の誤った進化と暴走”を監視するため、“臓器登録所”を設立。特にソールには強い関心を持っていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる。

 監督を務めたのは、「クラッシュ」「イグジステンズ」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」などのデヴィッド・クローネンバーグ。第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、退出者続出の賛否両論作となった。主演は「グリーンブック」などのヴィゴ・モーテンセン。自身の体から臓器を生み出すアーティストのソールを演じる。パートナーのカプリース役を、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」などのレア・セドゥ、二人を監視する政府機関のティムリン役を、「スペンサー ダイアナの決意」のクリステン・スチュワートが務めた。

巨大な臓器のようなベッドで眠るアーティスト 「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」本編映像

【作品情報】
クライムズ・オブ・ザ・フューチャー
2023年8月18日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
配給:クロックワークス/STAR CHANNEL MOVIES
© 2022 SPF (CRIMES) PRODUCTIONS INC. AND ARGONAUTS CRIMES PRODUCTIONS S.A.

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