”リアル声優夫婦”古川登志夫&柿沼紫乃 声優夫婦映画の吹き替え「ぜひやってみたい」 会場からは大きな拍手

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”リアル声優夫婦”古川登志夫&柿沼紫乃 声優夫婦映画の吹き替え「ぜひやってみたい」 会場からは大きな拍手

 スター声優夫婦の第2の人生をユーモラスに描いたイスラエル映画「声優夫婦の甘くない生活」の12月18日の公開を前に、トークイベントが都内で開催された。トークイベントは、“声優夫婦”という主人公の設定にちなみ、”リアル声優夫婦”である古川登志夫さんと柿沼紫乃さん夫婦をゲストに、「いい夫婦の日」である11月22日に行われた。映画を鑑賞したばかりの観客を前に行われたトークイベントでは、声優夫婦ならではの作品の感想、声優という職業などについてのトークが展開された。

 映画の感想を聞かれた古川さんは、イスラエルに移民したばかりの声優夫婦が、声優の仕事がないことを知るシーンについて触れ、声優の仕事が多くある日本の状況をを海外の声優にうらやましがられたことを思い起こし、リアリティを感じたことを明かした。柿沼さんは、声優夫婦の妻ラヤが声のトーンを変えるシーンについて触れ、セールスの訪問を受けた時に子どもや病気のフリをする”声優あるある”を披露した。

 別人になりすました妻の声を電話越しで聞いた夫がすぐに気づくシーンが話題になると、古川さんは妻である柿沼さんの声が「なんの役でどんなに化けてもすぐわかる」と自信満々。一方の柿沼さんが「セリフだとわからない時があるかもしれない」と自信のない様子を見せると、古川さんが「愛情が足りない」とツッコミ。柿沼さんは「それだけ演技の幅が広いという風に受け取ってはいただけませぬでしょうか?」と返し、仲むつまじい姿を見せた。

 「吹き替え」について、古川さんは「個人的には神様が与えてくれた天職」で、映画の中でも描かれてもいるように「豊かな世界にいざなう橋渡しの役目」と語った。柿沼さんは、「国民性によって感情表現が違う」「感情表現まで翻訳してお伝えするのが吹き替えのお仕事と心がけている」と、機械翻訳にはできない吹き替えの意義について語った。

 最後に、MCから「本作の吹き替えをぜひお2人で」と振られると、古川さんは「いいですね。年齢的にもちょうどいい。ぜひやってみたい」と応じ、2人で本作を観たあとにも吹き替えをやってみたいと話したことを明かした。MCが「みなさまから声が挙がれば」と来場者に呼びかけると、会場からは大きな拍手が起こった。

 「声優夫婦の甘くない生活」は、ソ連からイスラエルに移民して第2の人生をスタートさせた吹き替え声優夫婦が、声優の仕事にありつけず、闇仕事にたどり着く。そして、妻の秘密が発覚したことをきっかけに、長年気付かないふりをしてきたお互いの「本当の声」が噴出し始める・・・という内容の作品。監督自身の経験をもとに、7年の歳月をかけて作り上げられ、ヨーロッパの映画祭を中心に高い評価を得た。声優夫婦の歴史を形作ってきた名作の数々、生誕100周年を迎える巨匠フェデリコ・フェリーニ、ハリウッドの往年の名作へのオマージュが作品を彩っている。

「声優夫婦の甘くない生活」
12月18日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:ロングライド

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