母の過剰な愛に悩まされる娘 母子の闇を描く 「毒親<ドクチン>」予告

映画スクエア

 2024年4月6日より劇場公開される、キム・スイン監督の映画「毒親<ドクチン>」の、予告編が公開された。

 予告編は、車の中で目を見開いて死んでいるユリの衝撃的な姿から幕を開ける。死体安置所でユリと対面する母ヘヨン。捜査が進むなかで、友人や先生の証言によって、ユリがかなりのストレスを抱えて生活をしていたことが明かされていくが、かたくなに自殺と認めようとしないヘヨンの姿などが捉えられている。

 「毒親<ドクチン>」は、過剰な愛を受けて育った娘の闇を描いたミステリー。成績優秀な高校生ユリ。誰よりもユリを愛する母親ヘヨン。2人は、完璧で理想の母娘と周囲からうらやましがられている。しかしユリは、母へヨンの度を過ぎた教育と執着に長年悩まされていた。ある模擬試験の当日、学校に登校せず姿を消したユリは、キャンプ場で遺体となって発見される。捜査に乗り出した刑事は、自殺の可能性が高いとみていたが、ヘヨンはかたくなに認めようとしない。担当教員がユリを呼び出していたことを知ったヘヨンは、その教員を疑って裁判を起こす。

 日韓合作ホラー映画「オクス駅お化け」の脚色や「覗き屋」の脚本を担当してきた、キム・スインの長編映画監督デビュー作で、スタッフは「オクス駅お化け」の制作チームが再結集した。母ヘヨンを演じるのは、ドラマ「ストーリー・オブ・マーメイド」「妻の誘惑」などの主役を務めたチャン・ソヒ。本作が6年ぶりのスクリーン復帰作となる。娘ユリは、ドラマ「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」などのカン・アンナ。

 キム・スイン監督のコメントも公開された。スイン監督は、「特定の国の社会的な問題というよりは、どこの国でも起こりうる親子の問題として捉えて欲しいと思います。人間が誰かを間違った方法で愛することは、私たち全員が経験する可能性があり、今、まさに私の話かもしれない問題だからです。もちろん、このような個人的な状況を、社会的な文脈から完全に切り離すことはできませんが、根本的には私と私の周りの人たち、一人一人の話であるという事実に焦点をあてて作った作品です。毒親に育てられている子供たちが、今、経験している苦痛から、幼少期の影からやがて抜け出し、一歩でも前に進むことができるように」と、コメントを寄せている。

母の過剰な愛に悩まされる娘 母子の闇を描く 「毒親<ドクチン>」予告

母の過剰な愛に悩まされる娘 母子の闇を描く 「毒親<ドクチン>」予告

【作品情報】
毒親<ドクチン>
2024年4月6日(土)ポレポレ東中野ほかロードショー
配給:ミステリーピクチャーズ、シグロ
©2023, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED

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