脱走発覚 司令官が責任者を木棒で殴り尋問 収容所の苦しみ描く 「アウシュヴィッツ・レポート」本編映像

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 7月30日より劇場公開される、第93回アカデミー賞国際長編映画賞のスロバキア代表に選ばれた映画「アウシュヴィッツ・レポート」から、収容所のシーンを切り取った本編映像が公開された。

 1944年4月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。遺体の記録係をしているスロバキア人のアルフレートとヴァルターは、多くの人々が日々殺される過酷な収容所の実態を外部に伝えるため、脱走の決意を固める。日が落ちはじめ、アルフレートは同じ9号棟の仲間の手を借り、ヴァルターとともに積み上げられた木材の下に隠れて脱走の機会を待つ。

 公開された本編映像は、点呼で2人の記録係が行方不明であることが発覚したあとのシーン。司令官は照明弾を打ち上げて部下に捜索を命じる。照明弾によって脱走が発覚したことを知ったアルフレートとヴァルターは、木材の下で身を小さくする。一方司令官は、脱走者と同じ9号棟の囚人を表に立たせ、点呼責任者の囚人の口を割らせるために木棒で何度もたたくのだった。

 脚本・監督を務めたペテル・べブヤクは、「収容所のシーンが最も重要なシーン」「なぜなら、アウシュヴィッツの囚人が耐えなければならなかった苦しみを痛感したからです。彼らの収容生活の中で、“死”は絶対に消すことができない存在です。太陽が昇ると、一時的に彼らは普通の人のように感じますが、すぐに暗い雲が戻ってきます」と語っている。

 「アウシュヴィッツ・レポート」は、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所からの脱走者による報告書が、12万人の命を救った実話を元にした作品。、第93回アカデミー賞国際長編映画賞のスロバキア代表に選ばれた。「オフィーリア 奪われた王国」のノエル・ツツォルと新人のペテル・オンドレイチカが、脱走する2人のスロバキア人を演じている。2人を救済する赤十字職員を演じているのは、「ハムナプトラ」シリーズのジョン・ハナー。監督は、スロバキア人のペテル・ベブヤクが務めている。

脱走発覚 司令官が責任者を木棒で殴り尋問 収容所の苦しみ描く 「アウシュヴィッツ・レポート」本編映像

【作品情報】
アウシュヴィッツ・レポート
2021年7月30日(金)、新宿武蔵野館 ほか全国順次公開
配給:STAR CHANNEL MOVIES
(C)D.N.A., s.r.o., Evolution Films, s.r.o., Ostlicht Filmproduktion GmbH, Rozhlas a televizia Slovenska, Ceska televise 2021

  • 作品

アウシュヴィッツ・レポート

公開年 2020年
製作国 スロバキア、チェコ、ドイツ
監督  ペテル・べブヤク
出演  ノエル・ツツォル、ペテル・オンドレイチカ、ジョン・ハナー
作品一覧