芸人・松元ヒロの生き方と笑いの哲学から現代社会を映し出す 「テレビで会えない芸人」公開決定

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芸人・松元ヒロの生き方と笑いの哲学から現代社会を映し出す 「テレビで会えない芸人」公開決定

 芸人・松元ヒロの生き方と笑いの哲学から現代社会を映し出したドキュメンタリー「テレビで会えない芸人」が、2022年1月より劇場公開されることが決まった。

 「テレビで会えない芸人」は、2020年5月に鹿児島で、そのあとに全国で放送され、日本民間放送連盟賞最優秀賞やFNSドキュメンタリー大賞グランプリなど数々の放送賞を受賞した番組に、追加撮影と再編集をほどこしたドキュメンタリー映画。鹿児島テレビの四元良隆と牧祐樹が監督を務め、ローカル局制作のドキュメンタリーを映画化する流れを牽引する東海テレビの阿武野勝彦がプロデューサーを務めている。

 本作で映し出されるのは芸人の松元ヒロ。かつて社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で数々の番組に出演し人気を博したが、1990年代末に松元ヒロはテレビから舞台に主戦場を移す。政治や社会問題をネタに、笑いで一言物申すスタイルで、ライブ会場は連日満席、チケットは入手困難の人気を誇る。20年以上語り続ける「憲法くん」は、日本国憲法を人間に見立てた演目で、井上ひさしが大絶賛し、永六輔は「ヒロくん、9条を頼む」と言い遺した。その芸は、立川談志に「最近のテレビはサラリーマン芸人ばかり。本当に言いたいことを言わない。松元ヒロは本当の芸人」と言わしめた。

 なぜ松元ヒロはテレビから去ったのか、 なぜテレビは松元ヒロを手放したのか。“テレビで会えない芸人”の生き方と笑いの哲学から、今の世の中の素顔を浮かび上がらせる作品となっている。

 監督を務めた四元良隆と牧祐樹と、阿武野勝彦プロデューサーのコメントも公開された。公開されたコメントは以下の通り。

【コメント】

■監督:四元良隆
「不寛容な時代」と言われている。異質なモノ(意見)を攻撃し、排除する風潮。この社会を反映するかのように、私たちのテレビの世界にもその波は押し寄せている。少しでも世の中と合わない意見や表現方法をすればすぐにバッシングに晒され、取り除かれていく…。いつしか、「批判されないこと」が最優先になり、コンプライアンスの名の下、この流れは加速する一方だ。そうした中、芸人・松元ヒロと出会った。
理不尽な世の中に「笑い」で一言モノ申す。自主規制は一切無い。舞台会場は満員、しかし、テレビでは会えない…何故か。カメラを向けると、見えてくる。規制に縛られた既成のメディア、言論と表現の自 由、モノが言いづらい世の中…社会の空気に流される自分たち(テレビ)の姿があった。これからのテレビはどう在るべきか。このドキュメンタリーは僕らなりの、テレビで会えない芸人への挑戦状であり、感謝状である。

■監督:牧祐樹
撮影初日、頭に引っかかっていることがあった。テレビに出ないという芸人をテレビに出すことに何の意味があるのか。ポリシーを曲げさせることにならないか。テレビのエゴなんじゃないか。カメラを向けることの正義が自分の中ではっきりしない。迷いの中のスタートだった。
政権批判、原発問題、天皇制…。テレビで流せば賛否を巡って炎上する“かもしれない”テーマに、ヒロさんは笑いを武器に切り込んでいく。ヒロさんにとって、それはタブーなどではなく日々の暮らしの話でしかなかった。毎日のニュースに疑問を持つこともなく生きてきた私は、その姿に引かれていった。誰かのために怒り、涙を流すことができる人間としての魅力に、引き込まれた。
撮影を終える頃、ヒロさんの姿をたくさんの人に見てもらいたい、心からそう思った。そして、この映画が社会や政治に目を向けるきっかけになってくれることを願う。きっとそれは、あなたの“暮らしの話”のはずだから。

■プロデューサー:阿武野勝彦
国内総生産・世界第 3 位。報道自由度ランキング・世界第 67 位…。コロナ前、私たちはとんでもない世の中にいた。「とんでもない」を作った下手人の一人は私であり、アナタなのかもしれない…。でも、私たちは息をし、ゴハンも食べ、間違いなく生きているわけで、それはそれですごいことだと思う。私は、ウィルスの脅威に怯えて巣籠りを続けながら、何か見つけられないかなぁ~と、ただ妄想するばかりだった。しかし、私はとんでもなくラッキーだった。松元ヒロさんと出会い、映画作りに関わり、何かというか、ソレというか、が見つかったのです。そう、見つけちゃったのです。発見したアレについては、ここには書きません。本作『テレビで会えない芸人』を観た人に、こっそり耳打ちしたいと思っています。

【作品情報】
テレビで会えない芸人
2022年1月14日(金)より鹿児島ミッテ10、ガーデンズシネマにて先行
1月下旬よりポレポレ東中野にて    ほか全国順次公開
配給:東風
(C)2021 鹿児島テレビ放送

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