トレードマークのパイプを禁じられたメグレ パイプを口にし判事が制止 「メグレと若い女の死」本編映像

映画スクエア

 3月17日より劇場公開される、「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」などで知られるパトリス・ルコント監督の8年ぶり最新作「メグレと若い女の死」から、本編映像の一部が公開された。

 映像は、最近老いを感じ出していたメグレが医師から禁煙を命じられる様子を捉えたシーンから始まる。その後、判事の元を訪れたメグレは、いつものくせでパイプを口に運んでしまう。判事はメグレが禁煙中であることは知らないが、日本海で見つけられた珍しい熱帯魚たちを部屋で大事に育てていたことから、「ノンノン!魚たちが嫌がるからパイプはだめ!」とメグレの喫煙を静止する。メグレは、キョトンとした表情でぽつりと「そうですね」とつぶやく。一見無骨なメグレを少しかわいらしく描き、彼の人柄が垣間見えるシーンとなっている。

 あわせて、日本オリジナルのポスタービジュアルも公開された。ビジュアルは、ミッフィーで知られる世界的グラフィックデザイナーのディック・ブルーナが装幀を手掛けていた「メグレ警視シリーズ」のペーパーバックからインスパイアを受けたデザインとなっている。どっしりしたメグレ警視のシルエットを愛らしくキャラクター化し、トレードマークであるパイプからはカラフルな輪の煙があがっている。彼の周りには捜査に必要な証拠写真が散らばり、モダンなデザインの中にメグレの世界観が描かれている。

トレードマークのパイプを禁じられたメグレ パイプを口にし判事が制止 「メグレと若い女の死」本編映像

 「メグレと若い女の死」は、「仕立て屋の恋」の原作者でもあるジョルジュ・シムノンによるミステリー小説「メグレ警視シリーズ」の中でも、深い余韻を残す作品としてファンの人気が高いという、1954年に発行された同名原作を基に描いた作品。1953年のパリ。モンマルトルのヴァンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。血で真っ赤に染まったドレスには5カ所もの刺し傷が残されていた。事件を捜査するメグレ警視は、捜査を進めていくうちに、被害者が殺された理由や彼女の人生を探っていく。

 犯人探しのための謎解きだけでなく、身元不明の若い女性の死を中心に、メグレ警視が女性の素性と生涯を探りながら事件の背景に迫っていくヒューマンミステリーである本作で、メグレ警視役を務めるのはジェラール・ドパルデュー。身長180センチ、体重100キロという原作に忠実な姿で、メグレ警視の渋みを体現する。

【作品情報】
メグレと若い女の死
2023年3月17日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.

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