新藤兼人賞を受賞した「JOINT」の小島央大監督と山本一賢が再タッグを組んだ、実際の報道から着想を得たオリジナル映画「火の華」の劇場公開日が2024年12月20日に決まり、本予告と本ビジュアルが公開された。
本予告では、南スーダンで凄惨な戦闘に巻き込まれた主人公の島田東介(山本一賢)が、自衛官を辞職した今もなお悪夢にさいなまれ、花火に救いを求めていく姿が描かれている。少年兵と島田が銃を向け合う緊迫感の漂う冒頭に始まり、一瞬にして繰り広げられる銃撃戦。島田は、この前代未聞の事件を上官から「命令に従え」と隠蔽を強要されてしまう。2年後の新潟。自衛官を辞した島田は、花火師となっていた。しかし、挑んだ花火大会の現場で、無数の花火の爆音が銃の乱射音と重なり、銃撃戦がフラッシュバックされ、PTSDを発症してしまう。
悪夢にさいなまれる日々の中で、花火の材料である「火薬」を使った危険な武器ビジネスに介入していく島田。昭子(柳ゆり菜)の励まし、花火職人の仲間たちとの団らんの時間、そして夜空に舞う打ち上げ花火が映し出され、傷ついた島田の魂に救いが見えたかと思われたが、島田のもとに、「来てくれ、頼む」と助けを求める電話がかかってくる。一気に不穏な空気が立ち込め、発砲する自衛官、カメラ目線の武装した男、黒ずくめの男たち、そして「我が国にとって審判の日となるであろう」という謎の男のセリフに続き、最後は銃を手に取る島田が映し出される。
本予告では、大貫妙子&坂本龍一による主題歌「Flower」も聞くことができる。
本ビジュアルは、大きく広がる美しい花火を背景に、自衛官の島田東介(山本一賢)の姿がレイアウトされたもの。平和の象徴でもある花火の光に照らされる、苦悩のにじむ島田の表情が切り取られ、「この魂に救いは在るか?」のコピーが添えられている。
「火の華」は、元自衛官の壮絶な経験とその後の宿命を描いた作品。2016年、PKO(国連平和維持活動)のため南スーダンに派遣された自衛官の島田東介は、ある日、現地傭兵との銃撃戦に巻き込まれる。同期で親友の古川裕司は銃弾に倒れ、島田はやむなく少年兵を射殺する。退却の混乱の最中、隊長の伊藤忠典が行方不明となる。しかし、この前代未聞の“戦闘”は、政府によって隠蔽されてしまう。それから2年後の新潟。悪夢に悩まされる島田は、闇の武器ビジネスに加わりながら、花火工場の仕事につく。心に負った傷を少しずつ癒やしていく島田だが、過去の闇が迫る。
監督は、長編デビュー作「JOINT」で新藤兼人賞銀賞に輝いた小島央大。企画・脚本・編集・音楽までを手がける。主人公の島田を演じるのは、「JOINT」でも主演を務めた山本一賢。共同企画・脚本にも名を連ねる山本が、元自衛官の葛藤と再起を等身大で演じる。さらに、2人の盟友であるキム・チャンバが「JOINT」に続いてプロデューサー・出演者として参加している。島田を見守る昭子に柳ゆり菜、部隊で信頼を置かれていた伊藤隊長に松角洋平、島田に花火の哲学を手引きする親方・与一役に伊武雅刀、寡黙な花火職人にダンカンらが顔をそろえている。
【作品情報】
火の華
2024年12月20日(金) テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開
12月13日(金) 新潟県先行公開
配給:アニモプロデュース
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