2023年はシルバー映画の当たり年 人生100年時代を生きる我々に贈るシルバー映画を紹介

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「それいけ!ゲートボールさくら組」 ©2023「それいけ!ゲートボールさくら組」製作委員会

 藤竜也主演の映画「それいけ!ゲートボールさくら組」が、5月12日より劇場公開されている。

 「それいけ!ゲートボールさくら組」は、シニアが奮闘するエンタメ映画。かつて高校ラグビーで青春を謳歌した”ジーサン”たちが、60年ぶりに集結。マネージャーだったサクラが経営するデイサービス“桜ハウス”の倒産危機を知って一念発起し、今の自分たちができることで手助けしようと、ゲートボール大会に出場して優勝を目指すことになる。

 主演は、「愛のコリーダ」「龍三と七人の子分たち」などの藤竜也。81歳の藤竜也が、ゲートボール大会に出場して優勝を目指す主人公・織田桃次郎役を演じる。高校時代からの元ラグビー部仲間には、石倉三郎、大門正明、森次晃嗣、小倉一郎。平均年齢76歳の超ベテラン俳優陣が、スクリーンで大暴れする。ほかに、「チームさくら組」の一員として山口果林、田中美里が出演。かつてのラグビー部仲間で今は亡き盟友役として毒蝮三太夫、ゲートボールをスパルタ指導する女子高生・嶋田七海役に本田望結、生前ゲートボール愛好家としても知られていた落語家・三遊亭円楽も顔をそろえる。

 「それいけ!ゲートボールさくら組」の他にも、今年はおじいちゃんやおばあちゃんが活躍するシルバー映画が多く公開されている。その一部を紹介する。

■「茶飲友達」(2月4日公開)
「燦燦 さんさん」「ソワレ」』の外山文治監督が、2013年10月に高齢者売春クラブが摘発された事件を元に、超高齢者社会の現代日本が抱える閉塞感や寂しさなど、さまざまな問題を反映して描いた社会派群像ドラマ。「カメラを止めるな!」を世に送り出したENBUゼミナールのシネマプロジェクト作品として製作され、公開初週のユーロスペースでは満席が続き、1館から53館へ拡大公開されるなど異例のヒットとなった。高齢者がマジョリティとなった現代において、多くの人の心に自分事として受け止められ話題となった。

■「生きる LIVING」(3月31日公開)
黒澤明監督の映画「生きる」を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたヒューマンドラマ。癌で余命宣告を受けた男性が、これまでの味気ない人生を見つめ直し、残された日々と大切に過ごして充実した人生にしたいと決意する物語。本作で、カズオ・イシグロはアカデミー賞の脚色賞、ビル・ナイは主演男優賞にそれぞれノミネートされた。生きづらさを抱え思い悩む現代人に心温まるメッセージを教えてくれる作品となっている。

■「パリ・タクシー」(4月7日公開)
終活に向かうマダムを乗せたタクシー運転手が、彼女の人生をめぐるパリ横断の旅に巻き込まれていく姿を描いたヒューマンドラマ。フランスの大人気コメディアンのダニー・ブーンと、国民的シャンソン歌手のリーヌ・ルノーが共演を果たし、フランスでは初登場1位の大ヒットを記録した。出会いは最悪だったタクシー運転手と乗客の二人。パリの美しい街並に別れを告げ、終活へ向かう彼女は、パリへのさよならの代わりに秘密をひとつずつ明かしていく。次第にタクシー運転手のシャルルにとって、うんざりする場所だったパリを再発見する予想外の時間へと変わっていた。オープニングからラストまで、「まさか」がぎっしり詰まった感動作。

■「70歳のチアリーダー」(6月23日公開)
米国フロリダ州を拠点に、年間100回以上もの公演を行い、週に3回の練習をこなす”カレンダー・ガールズ”たちの活動を追ったドキュメンタリー。2005年からフロリダ南西部の人々の心をつかんできた彼女たちは、カウガール、海賊、ヒッピー、ユニコーン、「アナと雪の女王」のエルサなど、エレガントなものからワイルドなものまで数々の奇抜なコスチュームで大人気。パワフルで前向き、おしゃれ大好きな彼女たちにも、持病との闘い、夫の無理解、服役していた過去があったりと、過酷なバックグラウンドがあった。それでも、互いに励まし合い、全力でサポートし合う。そんな、彼女たちの姿に見ている我々まで元気をもらえる作品。

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