重要な部分に触れている場合があります。
It Happened One Night (2/8) Movie CLIP - Dropping In (1934) HD
エリー・アンドリュースは、富豪の娘である、映画「或る夜の出来事」の登場人物。縛られた生活に嫌気が差して逃げ出し、車に乗り込んだことがきっかけでパイロットのウェストリーを愛するようになり、ウェストリーと結婚の手続きをする。だが、父親の反対にあい、船に閉じ込められてしまう。ハンガーストライキをして抵抗するが聞き入れてもらえず、船からフロリダの海に飛び降りて脱出。ウェストリーのいるニューヨークへとバスで向かうことにする。
バスでは、隣の席になったことから記者のピーターと知り合いになる。途中の休憩所でカバンを盗まれてほとんど文無しになり、雨で橋が流されたためにバスが足止めを食った時には、ピーターと一緒のコテージに泊まる。その後も、ピーターに助けてもらいながらニューヨークに向かううちに、ピーターを愛するようになる。もう少しでニューヨークに到着というところで泊まったコテージでピーターに愛を告白するものの、この時は受け入れられない。
コテージで眠っている間にピーターがいなくなってしまい、やむを得ず父親に連絡。ウェストリーと結婚することになるが、ピーターのことが忘れられない。ピーターが父親のもとに金を取りに来ると聞いて失望するが、結婚式で入場する時にピーターが請求したのは旅でかかった実費だけで、エリーを愛していると語っていたことを介添人の父親から聞き、式の途中で逃走。ピーターの元に向かう。ウェストリーとの結婚は無効となり、ピーターと結ばれる。
・富豪の娘として大事に育てられたため、あっさりとカバンを盗まれ、バスのイスにチケットを落とすなど抜けているところがある。また、バスの休憩が30分しかないにもかかわらず、ウィンザーホテルまで朝食に行き、置いてきぼりにされたことに怒ったりもする。一方で、父親が雇った探偵をごまかすためにピーターの妻のフリをして口げんかをしてみせたり、スカートから足を見せてヒッチハイクを成功させたりと、機転の利くところも見せる。
・金に無頓着。あと4ドルしかないのに1ドル以上するチョコレートを買おうとして、ピーターにたしなめられる。また、金のない親子をかわいそうに思ったことから、後先を考えずにピーターの金を渡してしまい、すっからかんになってしまう。
エリー・アンドリュースを演じているのは、フランス生まれのアメリカの俳優であるクローデット・コルベール。公開時30歳頃。本作でアカデミー主演女優賞を受賞した。同時期の出演作には、「クレオパトラ」(1934)、「模倣の人生」(1934)などがある。
当時パラマウント所属のスター俳優だったコルベールは、出演拒否のつもりで「撮影期間は4週間、出演料は5万ドル」の破格の要求を出したところ、コロンビアが条件を飲んだために出演が実現したと言われている。また、マーナ・ロイやコンスタンス・ベネットらのスター俳優にもオファーがあったが、出演を拒否されたという。アカデミー賞を受賞するとは考えておらず、授賞式の夜には旅行に出発するところを、受賞の知らせを聞いてあわてて会場に駆けつけたというエピソードが残されている。