亡き息子思う親 心に深い傷負う子ども それでも紛争地帯で希望見いだし生きる人々 「国境の夜想曲」予告

映画スクエア

 ジャンフランコ・ロージ監督の最新ドキュメンタリー映画「国境の夜想曲」の劇場公開日が2022年2月に決まり、予告編が公開された。

 公開された予告編は、オレンジ色の囚人服を着た無数の男たちが刑務所を歩き回るシーンから始まる。そして、アメリカ国旗を掲げた装甲車が物々しく並ぶ場面、亡き息子を思う親、心に深い傷を負った子供たちなど、戦争や侵略に翻弄されてつらい状況に置かれた人々の苦境が映し出される。一方で、「空がきれいだ」と笑い合う恋人たちの姿など、どんな状況にあっても生きることを諦めない   人々の力強さと希望も、ショパンのノクターン第8番の旋律に乗せて描き出されている。終わりには、「この作品の静謐さは、まるで俳句のようだ。感動し、圧倒された」という、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥのコメントで締めくくられている。 

「国境の夜想曲」は、ジャンフランコ・ロージ監督が、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯で生きる人々にスポットを当て、3年以上の歳月をかけて作り上げたドキュメンタリー映画。侵略、圧政、テロリズムにより数多くの人々が犠牲となっている場所に、ロージ監督は通訳なしでひとりで赴き、そこに残された母親や子供、若者の声に耳を傾ける。母親たちの死を悼む哀悼歌、癒えることのない痛みを抱えた子供たち、精神病院の患者たちによる政治の無意味さについての演劇など、夜の暗闇から一条の希望を見いだして生きようとする者たちの姿が捉えられている。

亡き息子思う親 心に深い傷負う子ども それでも紛争地帯で希望見いだし生きる人々 「国境の夜想曲」予告

【作品情報】
国境の夜想曲
2022年2月11日(金・祝)、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
配給:ビターズ・エンド
©︎ 21 UNO FILM / STEMAL ENTERTAINMENT / LES FILMS D’ICI / ARTE FRANCE CINÉMA / Notturno NATION FILMS GмвH / MIZZI STOCK ENTERTAINMENT GвR

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