生活保護を受けながら認知症の母親と暮らす42歳の女性 受難の物語描く 「光復」公開日決定

映画スクエア

生活保護を受けながら認知症の母親と暮らす42歳の女性 受難の物語描く 「光復」公開日決定

 「白夜行」「神様のカルテ」などを手がけた深川栄洋監督作「光復」の劇場公開日が12月9日に決まった。

 「光復」は、生活保護を受けながら認知症の母親と暮らす42歳の圭子の物語。高校の同級生との再会をきっかけに明るさを取り戻していく圭子だが、母親の急死により、その人生は崩れ始めていく。深川監督が、世の中であまり取り上げられることのなかった実際のニュースやコラムの数々を、1人の女性に起きる出来事に集約させて作り上げた、“受難”の物語となっている。

 深川監督が2019年から作り始めた2つの異なる自主映画作品を、「sideA」「sideB」と称して連続公開する取り組み「return to mYselF プロジェクト」として、現在公開中のsideA「42-50 火光(かぎろい)」に続いて公開される。「42-50 火光(かぎろい)」に続き、宮澤美保が主演を務めている。

 宮澤美保、深川栄洋監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■宮澤美保
苦しくて仕方のない時、あの⼈よりもマシだと思うと救われる事があります。
この映画の主人公もまさにそれ、次々襲いかかる不幸に、この⼈よりはマシだと思えるでしょう。でも、この映画はそれで救われるわけではありません。
とんでもないところまで、心を持っていかれます。
その先に本当の救いがあるのか……をぜひ劇場で体感してください。

■深川栄洋監督

約20年ぶりにオリジナル映画を作りました。
2019 年の1月に主演を妻に据え、テーマは「幸福」と決めました。
ですが、脚本がなかなか書けずに苦しんでいた時に、フッと2018年に起きた「不幸」な事件を調べはじめました。
調べてみると、1年間に沢山の悲しい出来事が起きていました。
その出来事の幾つかに、一人の⼥性を縦糸にして編み込んでみました。それが今回のストーリーです。
映画の中で起きる不幸なことは全てあの年に起きた出来事です。
観客はこの物語を観ていると自然に幸せを求めるでしょう。
その最後の「幸せ」の表現に、監督としての眼差しを込めました。
脚本が完成した時、映画のタイトルは「光復」に変わっていました。
「幸福」では表現できない映画になったと思います。ぜひ、僕たちの映画を観に来て下さい。

【作品情報】
光復
2022年12月9日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、下北沢トリウッド他全国順次公開
配給:スタンダードフィルム

作品一覧