自らの背中を提供した難民 背中にタトゥー掘られ、アート作品に 「皮膚を売った男」本編映像

映画スクエア

 本日より劇場公開がスタートした、第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作「皮膚を売った男」から、アート作品となった男の背中に「VISA」のタトゥーが刻まれる本編映像が公開された。

 公開された本編映像は、荘厳なオペラをBGMに、タトゥーインクが注がれるグラスが大きく映し出される映像から始まる。緊張の面持ちでそっと目を閉じ、腰をおろすサム。唾をゴクリと飲み込む姿から、緊張がひしひしと伝わってくる。芸術家のジェフリーが、真剣な目でサムの背中にインクを彫っていく。背中にインクが刻み込まれていくサムの眉間には、しわが寄る。背中に走る痛みに加え、人間からアート作品として生まれ変わる心の痛みが描き出される。こうしてサムの背中は”アート作品”へと変身を遂げ、タトゥーとして書かれた通り、「VISA(査証)」を手に入れるのだった。

 「皮膚を売った男」は、現代アートの巨匠から、背中にタトゥーをほどこして自身がアート作品となるオファーを受けた難民サムの物語。大金と恋人に会うために引き受けたサムだったが、精神的に追いつめられていく。ヤヤ・マヘイニが主演し、モニカ・ベルッチ、ケーン・デ・ボーウらが出演している。監督を務めるのは、アカデミー国際長編映画賞のチュニジア代表に選ばれたことがあるカウテール・ベン・ハニア。第77回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門でヤヤ・マヘイニが男優賞を受賞し、第93回アカデミー賞の国際長編映画賞ノミネートされるなどの評価を受けている。

自らの背中を提供した難民 背中にタトゥー掘られ、アート作品に 「皮膚を売った男」本編映像

【作品情報】
皮膚を売った男
2021年11月12日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国公開
配給:クロックワークス
© 2020 – TANIT FILMS – CINETELEFILMS – TWENTY TWENTY VISION – KWASSA FILMS – LAIKA FILM & TELEVISION – METAFORA PRODUCTIONS - FILM I VAST - ISTIQLAL FILMS - A.R.T - VOO & BE TV

  • 作品

皮膚を売った男

公開年 2020年
製作国 チュニジア、フランス、ベルギー、スウェーデン、ドイツ、カタール、サウジアラビア
監督  カウテール・ベン・ハニア
出演  ヤヤ・マヘイニ、ディア・リアン、ケーン・デ・ボーウ、モニカ・ベルッチ、ヴィム・デルボア
作品一覧