夫を失ったパン屋と未婚の妊婦 女性が直面する困難と連帯を描く 「モロッコ、彼女たちの朝」8月公開

映画スクエア

夫を失ったパン屋と未婚の妊婦 女性が直面する困難と連帯を描く 「モロッコ、彼女たちの朝」8月公開

 第92回アカデミー賞のモロッコ代表に選ばれた映画「モロッコ、彼女たちの朝」が、8月に劇場公開されることが決まった。決定にあわせて、予告編・ポスタービジュアル・場面写真が公開された。

 「モロッコ、彼女たちの朝」は、地中海に面する北アフリカ・モロッコのカサブランカを舞台に、メディナ(旧市街)で生きる2人の女性を描いた作品。女手ひとつでパン屋を営むアブラと、未婚の妊婦サミア。孤独を抱えていた2人の心が、伝統的なパン作りによってつながり、やがて互いの人生に光をもたらしてゆく。モロッコの伝統的なパンや焼き菓子、幾何学模様が美しいインテリア、軽やかなアラビア音楽などの異国情緒とともに、女性2人の親密なドラマが描き出される。

 監督を務めるのは、新星マリヤム・トゥザニ。過去に家族で世話をした未婚の妊婦との思い出をもとに、家父長制の根強いモロッコ社会で女性たちが直面する困難と連帯を、フェルメールやカラヴァッジョなどの西洋画家に影響を受けたという、質感豊かな色彩と光で描いている。製作・共同脚本を手がけるのは、アラブ圏を代表する映画監督の1人で、トゥザニ監督の夫でもあるナビール・アユーシュ。「灼熱の魂」で世界各国の映画賞を受賞したルブナ・アザバルと、日本初紹介のニスリン・エラディが出演している。

 公開された予告編では、「おなかの子は私といても幸せになれない」と嘆くサミアに、「後悔する別れだけは選ばないで」と、夫を事故で失った過去を打ち明けるアブラなど、運命に翻弄されながらも人生が再び動き出すサミアとアブラの姿が描き出されている。

 ポスタービジュアルは、陽の光に照らされてほほ笑むアブラとサミアの姿に、「どうか、心のままに――」のコピーが添えられ、カラフルな布やターバン、笑顔でこちらをのぞくアブラの娘ワルダ、焼きたてのビスコッティなどもデザインされている。また場面写真では、ふたりが粉の様子を確かめながらパンを作る姿、エキゾチックなインテリアの部屋でサミアが赤子を見下ろす姿などが切り取られている。

夫を失ったパン屋と未婚の妊婦 女性が直面する困難と連帯を描く 「モロッコ、彼女たちの朝」8月公開

夫を失ったパン屋と未婚の妊婦 女性が直面する困難と連帯を描く 「モロッコ、彼女たちの朝」8月公開

夫を失ったパン屋と未婚の妊婦 女性が直面する困難と連帯を描く 「モロッコ、彼女たちの朝」8月公開

【作品情報】
モロッコ、彼女たちの朝
2021年8月、全国公開
配給:ロングライド
©︎ Ali n' Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

  • 作品

モロッコ、彼女たちの朝

公開年 2019年
製作国 モロッコ、フランス、ベルギー
監督  マリヤム・トゥザニ
出演  ルブナ・アザバル 、ニスリン・エラディ
作品一覧